- 民事訴訟法ー23.上訴
- 3.上告
- 上告
- Sec.1
1上告
■上告
(1) 上告の意義
上告とは、終局判決に対する法律審への上訴であり、原判決の当否を法令の遵守適用の面からだけ審査することを求める不服申立てである。上告審は法律審であるため、原判決の確定した事実に拘束され、それを基礎として原判決の当否を法律面から審理する。控訴審と異なり、事実審理は行わないため、事実の主張や証拠の提出はできない。
(2) 上告裁判所
地方裁判所が第2審としてした終局判決に対しては高等裁判所が、高等裁判所が2審としてした終局判決に対しては、最高裁判所である。ただし、飛躍上告の合意(民訴法281条1項ただし書)がある場合や、高等裁判所が第1審として裁判する場合には第1審判決に対してただちに上告が許される(民訴法311条1項、2項)。
(3) 上告理由
上告理由とは、上告裁判所が原判決を破棄することができる理由をいう。最高裁への上告と高裁への上告とで異なる(民訴法312条)。
① 最高裁への上告理由
a) 判決に憲法解釈の誤りその他憲法違反があること民訴法312条1項)
b) 絶対的上告理由があること(同条2項)
② 高裁への上告理由
a) 判決に憲法解釈の誤りその他憲法違反があること民訴法312条1項)
b) 絶対的上告理由があること(同条2項)
c) 判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反があること(民訴法312条3項)
③ 絶対的上告理由
絶対的上告理由とは、法令違背のうち、原判決に影響を及ぼすか否かを問わず常に上告理由とされるものをいう(民訴法312条2項)。
1. 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。 2. 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。 3. 専属管轄に関する規定に違反したこと。 4. 法定代理人、訴訟代理人又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと(追認があったときを除く。)。 5. 口頭弁論の公開の規定に違反したこと。 6. 判決に理由を付せず又は理由に食違いがあること。 |
(4) 上告受理制度
法令違反は、前述のとおり判決に影響があるとしても、最高裁に対する上告理由にはならない(民訴法312条)。しかし、法令違反でも、最高裁の判例違反、その他法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件については当事者に上告受理の申立てを認め、最高裁がそれを受理する決定をしたときに限り、上告があったものとみなす制度を設けた(民訴法318条)。これを、上告受理制度という。最高裁は、上告として取り上げる必要がある法令違反と思料するときに限って上告を受理すればよい(裁量上告制度)。
(5) 上告の手続
① 上告の提起
上告の提起は原判決又はこれに代わる調書の送達の日から2週間の不変期間内に、上告状を原裁判所に提出して行う(民訴法314条1項)。
② 原裁判所による上告の審査
原栽判所の裁判長は、上告状につき必要的記載事項の有無、印紙貼用の有無を調査し、不備があれば補正させ、補正しなければ命令で上告状を却下する(民訴法313条、288条、137条)。
原裁判所は、上告期間の経過など、上告が不適法でその欠缺が補正できないときは決定で上告を却下しなければならない(民訴法316条1項1号)。上告が適法と認められるときは、原裁判所は事件を上告裁判所へ送付する(民訴規197条1項)。