- 民事訴訟法ー22.当事者の交替
- 3.当然承継
- 当然承継
- Sec.1
1当然承継
■当然承継
(1) 当然承継の意義
当然承継とは、当事者の死亡など一定の承継原因が生じれば、当然に当事者の変更すなわち訴訟承継の行われる場合である。
(2) 当然承継の原因
いかなる事由がこれに該当するかを規定した法規はないが、主として訴訟手続の中断と受継に関する法規から当事者の死亡、法人等の合併消滅等の場合が該当する。主として、訴訟中断事由と合致する。
① 当事者の死亡(民訴法124条1項1号)
一身専属権は、相続の対象とならないため訴訟承継の問題にはならない。
② 法人の合併等による消滅(民訴法124条1項2号)
③ 当事者である受託者の信託の任務の終了(民訴法124条1項4号)
例えば、受託者が死亡、破産、後見開始もしくは保佐開始の審判を受けた場合や解任された場合などである。新受託者又は信託財産の帰属者が訴訟を承継することになる。
④ 一定の資格に基づき当事者となる者の資格の喪失(民訴法124条1項5号)
破産管財人など、新たな同一資格者が訴訟を承継する。
⑤ 選定当事者全員の資格喪失(民訴法124条1項6号)
選任者の全員又は新たな選定当事者が承継する。
⑥ 破産手続開始及び破産終了(破産法44条)
破産管財人、破産者が承継人となる。
判例 |
(最S42.5.24)朝日訴訟 |
|
|
生活保護処分の取消訴訟は、被保護者の死亡により当然終了する。 |
判例 |
(最H1.9.22)朝日訴訟 |
|
|
労働者が提起した労働契約上の地位を有することの確認訴訟は、その者の死亡により当然に終了する。 |