- 民事訴訟法ー20.多数当事者訴訟
- 2.共同訴訟
- 共同訴訟
- Sec.1
1共同訴訟
■共同訴訟
(1) 共同訴訟の意義
1つの訴訟手続に原告又は被告が数人いる場合を共同訴訟という。
(2) 共同訴訟の種類
① 通常共同訴訟
通常共同訴訟とは、各共同訴訟人につき判決が区々になってもさしつかえない場合をいう。
② 必要的共同訴訟
必要的共同訴訟とは、各人につき判決が区々になることが許されず、合一に確定されることが法的に要請される場合をいう。
a) 固有必要的共同訴訟
全員が共同で訴え又は訴えられなければならない本来の必要的共同訴訟である。
b) 類似必要的共同訴訟
共同で訴え又は訴えられる必要はないが、共同で訴え又は訴えられた以上は、合一的な解決がもたらされなければならない共同訴訟である。
(3) 共同訴訟の要件
① 請求の併合の一般的要件
当事者が複数いれば、請求も複数になるため、請求の併合の一般的要件を満たす必要がある。
a) 各請求が同種の訴訟手続で審判されるものであること(民訴法136条)
b) 法律上特に併合が禁止されていないこと
c) 各請求について受訴裁判所が管轄権を有すること
② 主観的併合要件
通常共同訴訟、必要的共同訴訟いずれの場合にも、次の主観的併合要件のいずれかが必要である(民訴法38条)。数人の複数の請求を1つの訴訟手続で審理する以上、請求相互に関連性もしくは共通性がなければならないためである。
a) 訴訟物たる権利義務が共通の場合
数人の連帯債務者に対する訴えや、主たる債務者と保証人に対する訴えの場合、義務を共通にし共同訴訟人とすることができる。
b) 訴訟物たる権利義務が同一の事実上及び法律上の原因に基づく場合
同一事故による数人の被害者の損害賠償請求や複数の不法占拠者に対する明渡請求などの場合である。
c) 訴訟物たる権利義務が同種であり、事実上及び法律上同種の原因に基づく場合
数人の借家人に対する賃料請求、商人が数人に対してする売掛金請求などの場合である。
③ 要件を欠く場合
訴えを不適法却下すべきではなく、裁判所は職権で事件を分離し、独立した訴えとして扱う。