- 民事訴訟法ー14.訴訟の終了
- 1.訴訟の終了原因
- 訴訟の終了原因
- Sec.1
1訴訟の終了原因
■訴訟の終了原因
当事者は、自己の意思によって、終局判決によらないで訴訟手続を終了させることができる。
「訴えの取下げ」「請求の放棄」「請求の認諾」「訴訟上の和解」がこれにあたる。
特定の紛争解決のために訴訟手続を利用するか否かについては、当事者の意思に委ねられている。
したがって、いったん当事者の意思によって訴えが提起され訴訟が開始した後であっても、当事者が訴訟による紛争解決ないし権利救済を欲しなくなった場合、裁判所は、当事者の意思に反して訴訟を続行し判決をすることは差し控えるべきである。すなわち当事者は、処分権主義として、自らの意思で終局判決によらず訴訟手続を終了させることができる権能を有する。ただ、当事者の一方の意思で訴訟手続を終了させる場合には、相手方の地位の防御のための手続保障が必要であるし、裁判所にとっても訴訟経済の要請、すなわち裁判所がこれまで進めてきた手続を無駄にしないように配慮する必要がある。また、当事者双方で合意が形成され、両者の意思で訴訟を終了させる場合には、裁判所は、その合意の結果が当事者間で今後も守られ、紛争の解決が実際に得られるように配慮する紛争解決の要請が求められる。このような手続上の配慮を訴えの取下げ、請求の放棄、請求の認諾、訴訟上の和解のそれぞれの場合に分けて検討する。