- 商業登記法ー24.持分会社総論
- 3.業務の執行
- 業務の執行
- Sec.1
1業務の執行
■業務の執行
(1) 業務執行社員
① 原則
持分会社においては、各社員が業務を執行する。(会社法590条1項)
② 例外
定款で別段の定めをすることは可能である。したがって、定款で定めることによって、一部の社員のみを業務執行社員とすることもできる。(会社法590条1項)
③ 社員の監視権
業務を執行する社員を定款に定めた場合には、各社員は持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても、その業務及び財産の状況の調査をすることができる。(会社法592条1項)定款で別段の規定をすることも可能であるが、定款によっても、社員が事業年度の終了時又は重要な事由があるときに上記の調査をすることを制限する旨の規定を設けることはできない。(同条2項)
(2) 業務執行の決定
① 原則
社員が2人以上ある場合は、定款で別段の定めがあるときを除き、その過半数により決定する。(会社法590条2項)
② 定款で業務執行社員を定めたとき
定款で、業務を執行する社員を2人以上定めたときは、定款に別段の定めがあるときを除き、その業務を執行する社員の過半数により決定する。(会社法591条1項)もっとも、業務執行社員を定款で定めた場合でも、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。(同条2項)ただし、この場合も、定款で別段の定めを設けることができる。(同項ただし書)
③ 決定した業務の執行
決定された事項の具体的執行は、各社員(又は定款で定めた業務を執行する社員各自)が単独で行うことができる。
④ 会社の常務
会社の常務(日常の業務)は、各社員(又は定款で定めた業務を執行する社員各自)が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の社員(又は業務執行社員)が異議を述べたときは、この限りではないため、原則どおり、社員(又は業務執行社員)の過半数の決議によらなければならない。(会社法590条3項)