- 商業登記法ー7.役員・会計監査人に関する登記
- 7.社外取締役及び社外監査役の登記
- 社外取締役及び社外監査役の登記
- Sec.1
1社外取締役及び社外監査役の登記
■社外取締役の登記
(1) 社外取締役の要件
社外取締役とは、株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。(会社法2条15号)
(イ)当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(代表取締役、業務を執行する取締役として選定されたもの及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)もしくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと (ロ)その就任の前10年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は 監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと (ハ)当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役もしくは執行役もしくは支配人その他の使用人でないこと (ニ)当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと (ホ)当該株式会社の取締役もしくは執行役もしくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は2親等内の親族でないことのいずれにも該当するもの |
(2) 社外取締役である旨の登記をする場合
社外取締役である旨は、通常登記事項とはならないが、次に該当する場合には、取締役の氏名にあわせて社外取締役である旨も登記事項となる。
・特別取締役による議決の定めがあるとき
・監査等委員会設置会社であるとき
・指名委員会等設置会社であるとき
上記の社外取締役である旨を登記しなければならない場合以外の場合には、社外取締役である旨を登記する必要がないだけでなく、社外取締役である旨を登記することができない。
取締役として甲野太郎と乙野二郎を選任した場合(甲野太郎は社外取締役)
登記の事由 取締役の変更
登記すべき事項 平成何年何月何日次のとおり就任
取締役(社外取締役)甲野 太郎
取締役 乙野 二郎
その後、社外取締役甲野太郎が退任した場合
登記の事由 取締役の変更
登記すべき事項 平成何年何月何日取締役(社外取締役)甲野太郎 退任
社外取締役甲野太郎が社外性の要件を満たさなくなった場合
登記の事由 社外取締役甲野太郎社外性喪失
登記すべき事項 平成何年何月何日社外取締役甲野太郎社外性喪失
添付書類 委任状 1通
完了後の登記記録
役員に関する事項 |
取締役 甲野太郎 (社外取締役)
取締役 甲野太郎 |
平成年月日就任 |
平成年月日登記 |
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平成年月日社外性喪失 |
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平成年月日登記 |
■社外監査役の登記
(1) 社外監査役の要件
社外監査役とは、株式会社の監査役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。(会社法2条16号)
(イ)その就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員。(ロ)において同じ。)もしくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと (ロ)その就任の前10年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の監査役であったことがある者にあっては、当該監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与もしくは執行役又は支配人その他の使用人であったことがないこと (ハ)当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役、監査役もしくは執行役もしくは支配人その他の使用人でないこと (ニ)当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと (ホ)当該株式会社の取締役もしくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は2親等内の親族でないことのいずれにも該当するもの |
(2) 社外監査役である旨の登記をする場合
社外監査役である旨は、通常登記事項とはならないが、監査役の半数以上が社外監査役でなければならない監査役会設置会社においては、監査役の氏名にあわせて社外取締役である旨も登記事項となる。逆に監査役会を設置していない会社においては、仮に社外監査役を置いていても、その旨の登記をすることはできない。登記の仕方については、基本的に社外取締役の場合と同様である。