- 商業登記法ー4.審査請求
- 2.審査請求の要件
- 審査請求の要件
- Sec.1
1審査請求の要件
■審査請求の対象
(1) 審査請求の対象となる登記官の処分
審査請求の対象となる登記官の処分には、次のものがある。
① 申請を受理し、登記をしたこと
② 登記申請を却下したこと
③ 申請書の補正を命じたこと
④ 職権による登記の抹消をしたこと
⑤ 登記事項証明書の交付申請、附属書類の閲覧申請を却下したこと など
(2) 申請を受理し登記をしたことに対する審査請求
処分は常に審査請求の対象となるが、登記をした処分については、その登記が商登法133条、135条以下の規定により登記官が当該登記を職権で更正又は抹消できる場合に限ってすることができる。(最S60. 2.21、S32. 3.12民甲453号)
■審査請求権者
審査請求をすることができる者は、登記官の処分を不当とする者であって、処分の是正につき法律上の利益を有する者である。
登研 |
(質疑登研509号) |
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登記官が誤って不適法な登記を受理した場合、申請人は申請どおりの登記がなされた以上、登記 官の処分を不当とする者にあたらず、ただちに審査請求をすることは法律上の利益がなく認めら れない。 |
■審査庁
(1) 監督法務局又は地方法務局の長
審査請求の相手は、処分をした登記官ではなく、その登記官が所属する、監督法務局又は地方法務局の長である。(商登法142条)
(2) 管轄外への本店移転登記の審査庁
本店の管外移転の場合において、旧本店所在地の登記所において新・旧両方の登記申請が却下されたときは旧所在地の監督法務局・地方法務局長が、新本店所在地において新本店の登記申請が却下されたときは、新本店所在地の監督法務局・地方法務局長が審査庁となる。
(3) 合併による登記の審査庁
合併による存続会社又は新設会社の本店所在地における変更又は設立登記及び消滅会社の本店所在地における解散の登記が存続会社又は新設会社の本店所在地の登記所において却下された場合は、当該登記所の監督法務局長等が、消滅会社の本店所在地における解散登記が消滅会社の本店所在地の登記所において却下された場合は、当該登記所の監督法務局長等が審査庁となる。