- 商業登記法ー3.登記の実行
- 2.申請書の調査
- 申請書の調査
- Sec.1
1申請書の調査
■調査
(1) 申請書等の調査
登記官は申請書を受け取ったときは、遅滞なく、申請に関するすべての事項を調査しなければならない。
(2) 登記官の調査権限
登記官は、形式的審査権しか有せず、実質的審査権を有しないため、登記官は申請書、添付書類、登記簿の3つを書面審理して受理するか否かを決定するのであって、申請書、添付書面の記載の真偽について実体的に調査することはできない。
(3) 印鑑の照合
登記官は、登記の申請があった場合には、申請書、委任状等に押印された印鑑と、登記所に提出された印鑑とを照合しなければならない。
■登記官による本人確認
(1) 申請権限の調査
登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者もしくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。
申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認める場合に相当する理由がある認めるときとは、次の場合である。
① 捜査機関その他の官庁又は公署から、不正事件が発生するおそれがある旨の通報があったとき
② 申請人となるべき者本人からの申請人となるべき者に成りすました者が申請をしている旨又はそのおそれがある旨の申出(不正登記防止申出)に基づき必要な措置を執った場合において、当該不正登記防止申出に係る登記の申請があったとき(当該不正登記防止申出の日から3か月以内に申請した場合に限る。)
③ 同一の申請人に係る他の不正事件が発覚しているとき
④ その他、登記官が職務上知り得た事実により、申請人となるべき者に成りすました者が申請していることを疑うにたりる客観的かつ合理的な理由があると認められるとき
(2) 調査の嘱託
登記官は、申請人又はその代表者もしくは代理人が遠隔の地に居住しているとき、その他相当と認めるときは、他の登記所の登記官に申請権限の有無の調査を嘱託することができる。