• 商業登記法ー2.登記申請手続総論
  • 1.登記申請手続きの基本原則
  • 登記申請手続きの基本原則
  • Sec.1

1登記申請手続きの基本原則

堀川 寿和2022/01/27 12:58

当事者申請主義

(1) 意義

 登記は、法令に別段の定めがある場合を除くほか、当事者の申請又は官庁の嘱託がなければ、することができない。(商登法14条)これを、当事者申請主義という。

 官庁の嘱託の例としては、設立無効の訴えが提起され、原告の請求を認める判決が下された際に、裁判所の嘱託によって、いったん設立した会社の解散登記がなされることになる。

 

(2) 当事者申請主義の例外

 法令に別段の定めがある場合の例として、登記官の職権による登記がある。具体的には、次の場合に登記官の職権による登記がなされる。

① 未成年者が成年に達したことによる未成年者の登記の職権による消滅の登記

② 休眠会社の職権による解散登記

③ 職権更正登記

④ 職権抹消登記

書面主義

 登記の申請は書面でしなければならない。(商登法17条1項)口頭や電話による申請は認められない。郵送による申請は認められる。

オンライン申請

(1) 電子情報処理組織の利用

 登記申請の方法は、書面を登記所に持参するか又は郵送するのが原則である。(書面申請主義)しかし、次に掲げる申請又は請求は、行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の規定により、電子情報処理組織を使用する方法によってすることができる。ただし、当該申請又は当該請求は、法務大臣が定める条件に適合するものでなければならない。(商登規101条1項)

① 登記の申請(これと同時にする受領証の交付又は送付の請求を含む。)

② 登記事項証明書又は印鑑の証明書の送付の請求

 

(2) 登記申請の方法

 オンラインにより登記の申請をするには、申請人又はその代表者もしくは代理人(申請人等)は、法務大臣の定めるところに従い、法令の規定により申請書に記載すべき事項に係る情報に商登規33条の4に定める措置(電子署名)を講じたもの(申請書情報)を送信しなければならない。(商登規102条1項 )