- 商業登記法ー1.商業登記制度
- 4.登記の種類
- 登記の種類
- Sec.1
1登記の種類
■登記の主体による区別
(1) 会社以外の登記
① 商号の登記
個人商人の商号の登記である。
② 未成年者の登記
未成年者が自ら営業をなす場合に、その事実を公示するために設けられている登記である。
③ 後見人の登記
後見人が被後見人(未成年者または成年被後見人)のために営業をする場合に、その事実を公示するために設けられている登記である。
④ 支配人の登記
個人商人の支配人の登記である。なお、会社の支配人の登記は会社の登記簿になされるため、支配人登記簿に登記される支配人の登記は個人商人の支配人のみである。
(2) 会社の登記
① 株式会社の登記
② 合名会社の登記
③ 合資会社の登記
④ 合同会社の登記
■登記原因の発生の態様による分類
(1) 発生の登記
登記すべき事項が発生した場合にする登記をいう。発生の登記は登記上最初になされる登記であるところから初登記とも呼ばれる。商号新設の登記、支配人選任登記、会社設立登記などがこれにあたる。
(2) 変更の登記
変更の登記とは、登記した事項に変更を生じた場合に、商法、会社法その他の法律の規定によりすべき登記をいう。ある種類の登記がなされた後、その登記事項に変更を生じた場合に、それを変更後の事実に合致させるための登記である。会社の商号変更、目的変更、役員変更などの登記がこれにあたる。
(3) 消滅の登記
消滅の登記とは、登記した事項が消滅した場合に、商法、会社法その他の法律の規定によりすべき登記をいう。ある種類の登記がなされた後に、その登記に対応する実体が消滅したためにその登記を抹消することを目的とする登記である。個人商人の商号廃止の登記、支配人の解任の登記、会社の清算結了の登記などがこれにあたる。
(4) 更正の登記
登記に当初から錯誤、遺漏がある場合に、それを真実の実体関係に符合させるために是正する登記をいう。取締役の氏名を間違えた場合の氏名の更正の登記や、商号新設の登記において営業所の登記を遺漏した場合の更正の登記などがこれにあたる。
(5) 抹消の登記
すでになされている登記が商登法134条1項各号に該当する場合に、それを抹消するためになされる登記をいう。134条1項は当事者が抹消登記を申請できる場合を限定列挙する。
① 管轄違いの登記、② 登記事項以外の事項の登記、③ 二重登記、④ 矛盾する同時又は前後不明登記、⑤ 登記事項に無効原因があるとき(訴えをもってのみその無効を主張することができる場合を除く。)