• 会社法ー3.持分会社
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1総説

堀川 寿和2022/01/25 10:10

持分会社の意義

 持分会社とは、合名会社、合資会社および合同会社の総称である(会社法575条)。

 会社法は、持分会社に共通する事項については共通の規定を設け、各持分会社に特有の事項については、個別に規定を置いている。

持分会社の種類

① 合名会社

 合名会社は、無限責任社員のみで構成される会社で、各社員は会社債権者に対して連帯して直接の無限責任を負う(直接無限責任社員のみ)。

② 合資会社

 合資会社は、無限責任社員と有限責任社員とで構成される会社である。無限責任社員は、合名会社の社員と同様の責任を負う社員であり、有限責任社員は、定款で定めた出資の価額を限度として会社債権者に対して直接の責任を負う。合資会社は、社員の一部に有限責任社員が存在する点で合名会社と異なる(直接無限責任社員と直接有限責任社員の2種類の社員が存在する)。

③ 合同会社

 合同会社は、間接有限責任社員のみで構成される会社である。その意味では、株式会社に近い類型であるが、原則として、社員が直接会社の経営に携わる点で株式会社と違いがある(間接有限責任社員のみ)。

 

 

合名会社

合資会社

合同会社

社員の員数

1名以上

2名以上

1名以上

社員の責任

直接無限責任

直接無限責任

直接有限責任

間接有限責任

出資の目的

金銭・その他財産

信用・労務も可

① 無限責任社員

金銭・その他財産、

信用・労務も可

② 有限責任社員

金銭・その他財産のみ

信用・労務は不可

金銭その他財産のみ

信用・労務は不可

出資の時期

いつでも可

定款作成後、設立登記をするまでに、定款で定めた出資全部履行しなければならない

業務執行権

原則として、各社員

会社代表権

原則として、各社員