- 適正化法ー7.宅地建物取引業法
- 4.契約締結後に交付すべき書面(37条書面)
- 契約締結後に交付すべき書面(37条書面)
- Sec.1
1契約締結後に交付すべき書面(37条書面)
■契約締結後に交付すべき書面(37条書面)の交付
売買契約、交換契約、賃貸借契約などの契約は当事者の合意のみで成立するが、契約内容がはっきりしていないと、後々トラブルの原因になる可能性がある。そこで、宅建業者には、トラブルを防止するための証拠として契約締結後に交付すべき書面(37条書面)を作成し依頼者に交付することが義務付けられている。
(1) 37条書面の交付義務
宅建業者は、宅地建物の売買・交換・貸借に関し契約が成立したときは、自ら以外の契約の各当事者に、遅滞なく、所定の事項を記載した書面(契約締結後に交付すべき書面・37条書面)を交付しなければならない。 |
(2) 37条書面の交付
① 交付義務者
交付義務を負っているのは宅建業者である。
② 交付の相手方
交付の相手方は、自ら以外の契約の各当事者である。37条書面は、売主や貸主にも交付しなければならない。
③ 交付の時期
交付の時期は、契約の成立後、遅滞なくである。
④ 交付の方法
37条書面には取引士(専任の取引士である必要はない)が記名しなければならない。37条書面は交付するだけでよく、35条書面(重要事項説明書)と異なり、説明する必要はない。
なお、この書面の交付に代えて、政令で定めるところにより、交付の相手方の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法であって取引士の記名に代わる措置を講ずるものとして国土交通省令で定めるものにより提供することができる。
■37条書面の記載事項
37条書面の記載事項は、定めの有無にかかわらず記載すべき事項と、定めがあれば記載すべき事項に分けられる
(1) 定めの有無にかかわらず記載すべき事項
次の事項は、37条書面に必ず記載しなければならない。
記載事項 | 売買・交換 | 貸借 |
当事者の氏名(法人は名称)・住所 | 〇 | 〇 |
宅地建物を特定するために必要な表示(宅地の所在・地番など、建物の所在・種類・構造など) | 〇 | 〇 |
建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項(既存建物のとき) | 〇 | × |
代金・交換差金・借賃の額、その支払の時期・方法 | 〇 | 〇 |
宅地建物の引渡しの時期 | 〇 | 〇 |
移転登記の申請の時期 | 〇 | × |
(2) 定めがあれば記載すべき事項
次の事項は、定めがあれば、37条書面に必ず記載しなければならないが、定めがなければ、記載を省略することができる
記載事項 | 売買・交換 | 貸借 |
代金・交換差金・借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額、その金銭の授受の時期・目的 | 〇 | 〇 |
代金・交換差金・借賃以外の金銭の授受に関する定めがあるときは、その額、その金銭の授受の時期・目的 | 〇 | 〇 |
損害賠償額の予定・違約金に関する定めがあるときは、その内容 | 〇 | 〇 |
代金・交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合においては、そのあっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置 | 〇 | × |
天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容 | 〇 | 〇 |
宅地建物の種類・品質に関する担保責任についての定めがあるときは、その内容 | 〇 | × |
宅地建物の種類・品質に関する担保責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容 | 〇 | × |
宅地建物に係る租税その他の公課の負担に関する定めがあるときは、その内容 | 〇 | × |