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1金属中毒

N222022/03/23 11:33

金属中毒による症状

 金属による中毒症状として代表的なものは以下のものがある。

 

「金属による中毒症状」

原因物質

症状

鉛中毒は貧血の症状がみられる。慢性中毒では腹部疝痛(せんつう)や、手首が垂れ下がったままの状態の伸筋麻痺が特徴の末梢神経障害などを生じる。

金属水銀

水銀は標的臓器がであり、金属水銀中毒により手指の震えや感情不安定、幻覚などの精神障害症状が現れる。

③ 有機水銀

脳が損傷されて体のしびれ、視野狭窄などの症状が現れる。

マンガン

マンガンの標的臓器はであり、慢性中毒として精神障害を起こす。筋のこわばり、震え、歩行困難の症状がある。

カドミウム

標的臓器は肺、腎臓であり、上気道炎や肺炎を生じる急性中毒や、肺気腫や腎障害の慢性中毒をおこす。

カドミウムによって、門歯や犬歯の黄色環(カドミウムリング)がみられる。

⑥ ベリリウム

急性障害として肺炎や、接触性皮膚炎がある。

クロム

鼻腔の鼻中隔(びちゅうかく)に孔ができる鼻中隔穿孔(せんこう)、皮膚障害が生じる。

長期にわたる吸入ばく露によって、肺がん上気道がんをおこす。

ヒ素

ヒ素中毒による急性中毒には腹痛、嘔吐、下痢などがみられる。

慢性中毒では黒皮(こくひ)角化(かっか)を、長期ばく露になると鼻中隔穿孔や皮膚がん、肺がんを引き起こす。

⑨ コバルト

気管支炎や肺炎、接触性皮膚炎などの皮膚障害が引き起こされる。経口からの吸収の場合には溶血性貧血、血色素尿の症状を起こす。

メチル水銀胎児性水俣病の原因となった。

・ 富山県のイタイイタイ病は、カドミウムに汚染された米や飲料水が原因。

 

標的臓器

 体内に吸収された有害物質は、特定の臓器を標的にする。これを標的臓器という。

 

標的臓器

有害物質

水銀、マンガン

カドミウム

腎臓

カドミウム

ゴロとして、「水、金曜日のマンガは脳に悪い」(水銀・マンガン・脳)