• 刑法(総論)ー12.刑の適用
  • 2.法定刑・処断刑・宣告刑
  • 法定刑・処断刑・宣告刑
  • Sec.1

1法定刑・処断刑・宣告刑

堀川 寿和2022/02/10 11:20

法定刑・処断刑・宣告刑

(1) 法定刑

刑罰法規の各本条において定められている刑罰のことをさす。

ex)人を殺した者は、死刑又は無期もしくは5年以上の懲役に処する。(刑法199条)

                  

                 法定刑

 

(2) 処断刑

法定刑に対して、法律上又は裁判上の加重・減軽を施して修正した刑罰を処断刑いう。このとき選択刑があるときは、処断刑を得るためにまず刑種の選択が必要である。例えば、殺人罪のように、死刑・無期・5年以上の有期懲役というように、いくつかの刑の種類が定められているときはそのうちの1つを選び、この選択された刑に一定の加重・軽減を施して、具体的な処断の範囲を画する。これが処断刑であり、この範囲内で被告人が具体的に処罰されることになる。

 

(3) 宣告刑

処断刑の範囲内で現実に被告人に対して言い渡される刑罰をいう。