- 宅建業法ー10.報酬額の制限
- 2.売買・交換の報酬
- 売買または交換の「媒介」の報酬額
- Sec.1
1売買または交換の「媒介」の報酬額
■売買または交換の「媒介」の報酬額
媒介の報酬額の上限について宅建業法は詳細な規定をおいてはいるが、ややこしいので便宜上、速算式で暗記してしまおう。それだけ知っていれば十分である。なお、この段階では消費税は考慮しない。
【速算式】
①物件の価額が200万円以下の場合 | 価額×0.05 |
②物件の価額が200万円を超え400万円以下の場合 | 価額×0.04+2万円 |
③物件の価額が400万円を超える場合 | 価額×0.03+6万円 |
例えば、1,000万円の物件の媒介をした場合は、1,000万円×0.03+6万円=36万円報酬が得られる。これは、一人の依頼者から得られる上限額である。よって、媒介の場合、売主と買主の双方から依頼を受けていれば、36万円×2=72万円の報酬が最大で得られることになる。
Point1 交換の場合において、物件の価額に差のある場合は、その価額の高い方を計算の基準とする。
Point2 上記の「最大で72万円」については、例えば、50万円と22万円というような、自由な内訳を認めるものではない。あくまで、一人あたりの上限は「36万円」である。
■売買または交換の「代理」の報酬額
上記は「媒介」であるが、これが「代理」に変わると以下のようになる。
① 売買又は交換の代理に関して依頼者より受けることのできる報酬は、媒介の場合の2倍である。
② 両当事者から依頼されていた場合も、その合計額が、媒介の場合の2倍を超えてはならない。 |
代理の場合は、原則として、契約当事者双方の代理をすることはできない(双方代理の禁止)。よって、代理は基本的に一方のみからの依頼を受けることを想定している。そして報酬は、当然ながら依頼者にしか請求できない。
すると、宅建業者としては、こなす仕事は媒介とほぼ同じなのに、媒介の場合の半分しか報酬を取れないということになり、酷である。そこで、報酬は、媒介の2倍としたのである。
もっとも、例外的に当事者の同意があれば双方代理も許される。すると、その場合は相手方からも依頼があるわけであるから、相手方にも請求でき、合計4倍(144万円)請求できるのではないかと思えてしまう。それでは高すぎるので、合計額でも2倍以内(72万円)としたものである。