- 刑法(総論)ー6.違法論
- 9.正当業務行為
- 正当業務行為
- Sec.1
1正当業務行為
■正当業務行為
(1) 要件
正当業務行為として行為が正当化されるためには、次の要件が満たされなければならない。
① 業務そのものが正当なものであること ② 行為自体も当該業務の正当な範囲内のものであること |
① 業務の正当性
正当業務行為とされるものに次のものがある。
a) 医師の手術行為 b) プロのスポーツ競技(ボクシング・相撲・ラグビー・アメフト等) c) 弁護士の弁護活動 d) 新聞記者の取材活動 |
以上は、それぞれ傷害罪、名誉毀損罪等の構成要件に該当し得るが、違法性が阻却され犯罪とならない。
② 行為の正当性
業務をなす個々の行為自体も正当な範囲内のものでなければならない。
例えば、アメフトやラグビー競技の際、反則によって相手に傷害を与える行為は正当な範囲を超え違法性を阻却しない。
(2) 効果
正当な業務としてなされた行為は業務の正当な範囲で行われる限り、違法性が阻却され、犯罪とならない。