• 宅建業法ー10.報酬額の制限
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  • Sec.1

1総説

堀川 寿和2021/11/24 11:52


 本章からは1問程度出題される。「報酬」とは、宅建業者が、売買契約などを代理・媒介して成立させた場合の代理・媒介手数料のことである。宅建業法は、法外な手数料を請求し依頼者との間にトラブルが生じないように、報酬の最高限度額を定めている。消費税を含めた正確な計算が求められるので、実際に計算を繰り返し行ってなれることが必要である。


 宅建業者が媒介・代理によって契約をまとめると、依頼者に報酬を請求できる。このときの報酬額には上限があり、大きく①売買・交換の媒介・代理、②貸借の媒介・代理の2パターンがある。このあと順に見ていこう。その前に以下の2点を説明しておく。


必要経費

 報酬以外の必要経費(通常の広告費など)の請求は、原則としてできないことになっている。つまり、必要経費は報酬に込みということである。契約にまで至らなければ報酬は当然請求できないので、その場合の必要経費は業者が負担したままで終わりである。

 ただし、例外的に、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額や、依頼者の特別の依頼によって行う遠隔地への現地調査に要した特別の費用に相当する額は、報酬とは別に受領してよい。


消費税(課税事業者、免税事業者)

 国に消費税を納める義務を負う宅建業者を「課税事業者」といい、消費税を納めなくてよい事業者を「免税事業者」という。課税事業者は、報酬額に消費税分である「10%」を上乗せできる

 一方の免税事業者であるが、イメージとしては「免税されているのだから消費税分を上乗せするのはおかしい」というものがあるだろう。しかし、免税事業者でも、仕入れの際には消費税分の支払をしている。これを考慮しないのは不公平なので、4割の「4%」(これを「みなし消費税分」という)の上乗せが認められている