- 刑法(総論)ー6.違法論
- 2.違法性の本質
- 違法性の本質
- Sec.1
1違法性の本質
■違法性の本質
違法性の実質をどう捉えるかについて、次の2つの考え方がある。
(1) 結果無価値論
違法性の実質を、法益の侵害又はその危険という結果のみに求める考え方である。つまり、結果が違法性の本質と考える。
(2) 行為無価値論
違法性の実質を、社会倫理規範に違反する法益侵害に求める考え方である。つまり、結果だけではなくそのような結果を引き起こした社会倫理規範に違反する行為をも考慮する。例えば、放火することは、刑法108条以降に規定されている以前に、倫理の上で許されず、そのような社会倫理規範に違反することが違法性の本質と考えるのである。