- 刑法(総論)ー1.近代刑法の基本原則
- 3.現行法と罪刑法定主義
- 現行法と罪刑法定主義
- Sec.1
1現行法と罪刑法定主義
■現行法と罪刑法定主義
(1) 現行法と罪刑法定主義
現行刑法は旧刑法と異なり、罪刑法定主義の規定を置いていない。しかし、これは罪刑法定主義を否定する趣旨ではなく、それを当然の前提としているからと解されている。
(2) 罪刑法定主義の根拠法
罪刑法定主義は次の規定にその根拠が求められる。
① 憲法31条
憲法31条は「何人も法律の定める手続によらなければその生命もしくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない」と規定する。
② 憲法39条前段
また憲法39条は「何人も実行の時に適法であった行為…については刑事上の責任を問われない」として、罪刑法定主義の派生原則の一つである刑罰法規不遡及の原則を定めている。