• 刑法(総論)ー1.近代刑法の基本原則
  • 4.責任主義
  • 責任主義
  • Sec.1

1責任主義

堀川 寿和2022/02/10 09:55

責任主義

(1) 責任主義の意義

罪刑法定主義と並ぶ近代刑法の基本原則として、責任主義がある。責任主義は、責任なければ刑罰なしという原則である。

 

(2) 現行刑法における責任主義

罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りではない。(刑法39条1項)したがって、法律に特別の規定がある場合には、故意がなくても処罰できることになるが、その場合でも過失は必要であるとされる。故意も過失もない行為(例えば、不可抗力による場合)を処罰することは、罪刑法定主義には反しないが、責任主義に反することになる。