- 供託法ー3.弁済供託
- 1.弁済供託(債務の目的物の供託)の意義
- 弁済供託(債務の目的物の供託)の意義
- Sec.1
1弁済供託(債務の目的物の供託)の意義
■弁済供託(債務の目的物の供託)の意義
(1) 意義
弁済供託とは、債務者などの弁済者が弁済の目的物を供託することによって、債務を免れるための供託である(民法494条)。
(2) 趣旨
債務者が債務の履行をしようとする場合に、債権者が受領を拒んだり、債権者が不在であったり、受領能力がなかったりして債権者が受領することができなかったり、債権者の相続人が誰であるかが不明であって、弁済者の過失なくして債権者を確知しえなかったりすることがあり得る。
そのような場合、債務者は債務不履行の責めを免れ、逆に債権者の受領遅滞となるが、現実に履行が完了しないため、債務は消滅せず、債務者はその後も履行の準備をしておかねばならない。また、その債務に担保権が設定されている場合にはその抹消ができないといった不利益をこうむる。そこで、債務者を救うために、債権者に代わって弁済を受ける制度を設けた。これが弁済供託である。
(3) 有効要件
弁済供託の有効要件として、次の要件が必要である。
① 供託原因が存在すること ② 債務の本旨に従った供託であること |