- 民事保全法ー1.民事保全序説
- 2.民事保全手続の構造
- 民事保全手続の構造
- Sec.1
1民事保全手続の構造
■民事保全手続の構造
(1) 民事保全法の2段階構造
民事保全手続は、判決手続にあたる保全命令を求める保全命令手続と、強制執行にあたる保全命令の実現手続の保全執行手続の2段階に分類される。
① 保全命令手続
仮差押命令、仮処分命令を発するか否かの判断のための手続である。これには更に保令命令を発する手続と、その不服申立て手続とがある。
② 保全執行手続
被保全権利の存在を裁判所が認定したうえ、保全命令が発せられた場合、これを債務名義として仮差押え、仮処分の執行を実施する手続である。
(2) 保全命令と保全執行の関係
保全命令手続と保全執行手続とは、判決手続と強制執行手続の関係に対応する。保全執行は、保全命令の正本に基づいて実施する(民保法43条)とされており、保全命令は強制執行における債務名義(保全名義)に相当する。