• 民事執行法ー15.債務者の財産状況の調査
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1債務者の財産状況の調査

堀川 寿和2022/02/04 13:09

債務者の財産状況の調査

 金銭債権に対する強制執行の場合には、動産執行の場合を除き、執行の対象となる債務者の財産を特定しなければならない。しかし債務者の財産の把握は債権者にとっては困難なことがある。

 そこで、財産開示制度(民執法196条~)が設けられ、債権者の申立てにより執行裁例所が財産開示期日に債務者を呼び出し、宣誓の上で自己の財産状況を開示する手段が設けられた。正当な理由なく期日に出頭せず、宣誓・財産開示陳述を拒み又は虚偽の陳述をした開示義務者は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる(民執法213条1項5号・6号)。

 また、この財産開示制度は債務者の自己申告に依拠するものであるため、さらなる権利実現の実効性を確保するために、財産開示制度の補充的な手段として、第三者からの情報取得手続(民執法204条~)が設けられている。これは、債権者の申立てにより、債務者の不動産、給与債権、預貯金債権等に関する情報提供を執行裁判所が債務者以外の第三者に命令する制度である。