• 民事執行法ー9.金銭の支払を目的とする債権についての強制執行(金銭執行)
  • 2.金銭執行の手続
  • 金銭執行の手続
  • Sec.1

1金銭執行の手続

堀川 寿和2022/02/03 16:33

金銭執行の手続の流れ

金銭執行は、原則としてまず債務者の財産を「差押え」、これを強制的に「換価」し、換価した代金から「満足(配当等)」"を得るという3段階を経て行われる。

 

差押え

(1) 意義

 差押えとは、執行機関の債務者の特定の財産の処分を禁止する執行処分をいう。

 

(2) 差押えの方法

 差押えの方法は、差し押える財産の種類によって異なる。

不動産

 執行裁判所による強制競売又は強制管理の開始決定により行う。

②動産

 執行官による動産の占有により行う。

③債権

 執行裁判所による債権の差押命令により行う。

 

(3) 差押えの対象財産

 金銭執行の対象となる財産は、債務者の責任財産である。詳しくは、後述する。

 

(4) 差押えの効力

 差押えの本質的効力は、債務者の処分を禁止することである。したがって、差押えの処分禁止効に反する債務者の法律行為は、債権者との関係では無効であり、債権者に対抗することができない。しかし債権者以外の者との関係では有効である(相対的無効)。詳しくは、後述する。

 

換価

 差し押さえた財産を金銭化する手続である。換価の方法は、一般的には売却の方法による。