• 民事訴訟法ー17.確定判決の効力
  • 4.形成力
  • 形成力
  • Sec.1

1形成力

堀川 寿和2022/02/03 11:09

形成力

(1) 形成力の意義

 形成力とは、形成判決がもつ法律関係の変動(形成判決が宣言したとおりの法律関係の発生・変更・消滅)を生じさせる効力をいう。形成力は、請求を認容する形成判決についてのみ認められる。

例えば、認知の訴え(民法784条)、嫡出否認の訴え(民法775条)、株主総会決議取消しの訴え(会社法839条)、離婚の訴え(民法770条)、婚姻取消しの訴え(民法748条)、会社の設立無効の訴え(会社法839条)等がその例である。

 

(2) 形成力の発生

 形成力は、形成判決が確定したときに生ずるのが原則である。

 

(3) 形成力の範囲

時間的範囲

 認知の訴え(民法784条)、嫡出否認の訴え(民法775条)、株主総会決議取消しの訴え(会社法839条)のように、初めに遡って効力が生じる場合と、離婚の訴え(民法770条)、婚姻取消しの訴え(民法748条)、会社の設立無効の訴え(会社法839条)などは、判決確定によって効力が生じる場合がある。

主観的範囲

 既判力や執行力と異なり、形成力は当事者間のみならず、一般第三者にも及ぶ。この効果を形成判決の対世的効力と呼ぶ。