- 民事訴訟法ー17.確定判決の効力
- 4.形成力
- 形成力
- Sec.1
1形成力
■形成力
(1) 形成力の意義
形成力とは、形成判決がもつ法律関係の変動(形成判決が宣言したとおりの法律関係の発生・変更・消滅)を生じさせる効力をいう。形成力は、請求を認容する形成判決についてのみ認められる。
例えば、認知の訴え(民法784条)、嫡出否認の訴え(民法775条)、株主総会決議取消しの訴え(会社法839条)、離婚の訴え(民法770条)、婚姻取消しの訴え(民法748条)、会社の設立無効の訴え(会社法839条)等がその例である。
(2) 形成力の発生
形成力は、形成判決が確定したときに生ずるのが原則である。
(3) 形成力の範囲
① 時間的範囲
認知の訴え(民法784条)、嫡出否認の訴え(民法775条)、株主総会決議取消しの訴え(会社法839条)のように、初めに遡って効力が生じる場合と、離婚の訴え(民法770条)、婚姻取消しの訴え(民法748条)、会社の設立無効の訴え(会社法839条)などは、判決確定によって効力が生じる場合がある。
② 主観的範囲
既判力や執行力と異なり、形成力は当事者間のみならず、一般第三者にも及ぶ。この効果を形成判決の対世的効力と呼ぶ。