- 民事訴訟法ー15.終局判決
- 8.判決の確定
- 判決の確定
- Sec.1
1判決の確定
■判決の確定の意義
判決が通常の不服申立方法では取消し、変更できなくなった状態を判決の確定という。この取消不可能な状態を判決の効力とみて形式的確定力という。既判力、執行力、形成力等はこの確定によって生ずるのが原則である。
■判決の確定時期
(1) 上訴が認められない判決
上告審判決は、もはや上訴ができないため、判決言渡しと同時に確定する。
(2) 当事者に合意がある場合
① 不上訴の合意があるときは、判決言渡し時に確定する。
② 飛躍上告の合意(281条1項但書)があるときは、上告期間を徒過した時に確定する。
③ 不上訴の合意が判決言渡し後になされたときは、判決は合意のあった時に確定する。
(3) 上訴が認められる判決
① 上訴権の放棄
上訴期間経過前に、上訴権を有する当事者が上訴権を放棄した場合には、放棄の時に確定する。
② 上訴期間の徒過
当事者が上訴期間、手形訴訟や少額訴訟の終局判決につき異議申立期間を徒過したときは、その期間満了の時に確定する(民訴法116条1項)
③ 上訴棄却判決の確定
当事者が上訴期間内に適法な上訴を提起すると、判決の確定は遮断され、上訴棄却判決の確定した時に、原判決も確定する。
④ 上訴却下判決の確定
上訴が不適法として却下され、その判決が確定すると、原判決は上訴期間満了時に遡って確定する。
⑤ 上訴の取下げ
上訴期間経過前に上訴が取り下げられた場合、再び上訴が可能であるから、上訴期間を経過した時に初めて確定する。