- 民事訴訟法ー6.審理と審理の諸原則
- 6.専門委員制度
- 専門委員制度
- Sec.1
1専門委員制度
■専門委員の意義
裁判所は、必要があると認めるときは、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。知的財産権や医療過誤、建築紛争などの法律以外の専門的が必要不可欠な訴訟で利用される。
■専門委員が関与する手続
(1) 争点・証拠の整理、訴訟の進行協議
裁判所は、争点もしくは証拠の整理又は訴訟手続の進行に関し必要な事項の協議をするに当たり、訴訟関係を明瞭にし、又は訴訟手続の円滑な進行を図るため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合の専門委員の説明は、裁判長が書面により又は口頭弁論もしくは弁論準備手続の期日において口頭でさせなければならない(民訴法92の2第1項)。
(2) 証拠調べ
裁判所は、証拠調べをするに当たり、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣行を明瞭にするため必要があると認めるときは、当事者の意見を聴いて、決定で、証拠調べの期日において専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる。この場合に、証人もしくは当事者本人の尋問又は鑑定人質問の期日において専門委員に説明させるときは、裁判長は、当事者の同意を得て、訴訟関係又は証拠調べの結果の趣旨を明瞭にするために必要な事項について専門委員が証人、当事者本人又は鑑定人に対し直接に問いを発することを許すことができる(民訴法92の2第2項)。
(3) 和解の試み
裁判所は、和解を試みるに当たり、必要があると認めるときは、当事者の同意を得て、決定で、当事者双方が立ち会うことのできる和解を試みる期日において、専門的な知見に基づく説明を聴くために専門委員を手続に関与させることができる(民訴法92条の2第3項)。