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1宅建業者と取引士

堀川 寿和2021/11/22 14:22

宅建業者と取引士

ここで、宅建業者に関する規定と取引士に関する規定を整理して比較しておこう。


【類似点の比較】

キーワード宅建業者に関する規定取引士に関する規定
開始するとき免許の欠格要件登録の欠格要件
変更するとき変更の届出
免許証の書換え交付
変更の登録
取引士証の書換え交付
監督者が代わるとき免許換え登録の移転
終了のとき廃業の届出死亡等の届出


【免許証と取引士証の相違】


免許証取引士証
監督者免許権者
(都道府県知事または国土交通大臣)
登録権者
(都道府県知事)
有効期間5年
更新満了日の90日~30日前までに申請申請前6ヶ月以内の法定講習受講
提示① 請求があったとき
② 重要事項説明のとき
変更時期30日以内遅滞なく
移転等① 免許換えは「しなければならない」
②「新たに」免許を与えるため、有効期間が5年となる
① 移転登録は「できる」
② 取引士証は引換え交付
③ 現在の取引士証の「残存」期間分を発行
失効後使用の可否使える(残務処理のみ)一切使えない


チェック問 取引士 問題

【チェック問 取引士 問題】

1. 取引士は、法第35条の規定による重要事項説明を行うにあたり、相手方から請求があった場合にのみ、取引士証を提示すればよい。


2. 甲県知事の登録を受けている取引士Aは、禁錮以上の刑に処せられ登録が消除された場合は、速やかに、取引士証を甲県知事に返納しなければならない。


3. 宅建業者は、宅建業法第31条の3に規定する専任の取引士の設置要件を欠くこととなった場合、2週間以内に当該要件を満たす措置を執らなければ監督処分の対象となる。


4. 宅建業者が土地売買における売主の代理として契約書面を作成するに当たっては、専任でない取引士が記名押印してもよい。


5. Aは、甲県で行われた宅地建物取引士資格試験に合格した後、乙県に転居した。その後、登録実務講習を修了したので、乙県知事に対し法第18条第1項の登録を申請することができる。


6. 未成年者は、成年者と同一の行為能力を有していたとしても、成年に達するまでは取引士の登録を受けることができない。


7. 取引士が、刑法第204条の傷害罪により罰金の刑に処せられ、登録が消除された場合は、当該登録が消除された日から5年を経過するまでは、新たな登録を受けることができない。


8. 甲県知事から取引士証の交付を受けているAが、取引士としての事務を禁止する処分を受け、その禁止の期間中に本人の申請により登録が消除された場合は、Aが乙県で宅地建物取引士資格試験に合格したとしても、当該期間が満了しないときは、乙県知事の登録を受けることができない。


9. 取引士Aが、宅建業者B社を退職し、宅建業者C社に就職したが、AはB社及びC社においても専任の取引士ではないので、宅地建物取引士資格登録簿の変更の登録は申請しなくてもよい。


10. 甲県知事から取引士証の交付を受けている取引士は、その住所を変更したときは、遅滞なく、変更の登録の申請をするとともに、取引士証の書換え交付の申請を甲県知事に対してしなければならない。


11. 取引士の登録を受けている者が本籍を変更した場合、遅滞なく、登録をしている都道府県知事に変更の登録を申請しなければならない。


12. 宅建業者(甲県知事免許)に勤務する取引士(甲県知事登録)が、乙県に住所を変更するとともに宅建業者(乙県知事免許)に勤務先を変更した場合は、乙県知事に登録の移転の申請をしなければならない。


13. 甲県知事の登録を受けている取引士が、乙県に住所を移転し、丙県知事免許を受けている宅建業者に勤務先を変更した場合、甲県知事を経由して乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。


14. 取引士の登録を受けている者が死亡した場合、その相続人は、死亡した日から30日以内に登録をしている都道府県知事に届出をしなければならない。


チェック問 取引士 正解

【チェック問 取引士 正解】

1-×2-○3-○4-○5-×
6-×7-×8-○9-×10-○
11-○12-×13-×14-×


【チェック問 取引士 解説】

1. × 取引士は、重要事項の説明をするときは、説明の相手方に対し、相手方から請求がなくても、取引士証を提示しなければならない。


2. ○ 取引士は、その登録が消除された場合は、速やかに、取引士証を、その交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。


3.○宅建業者は、事務所では業務に従事する者の5 人に1 人以上、国土交通省令で定める案内所等では1 人以上、専任の取引士を設置する必要があり、これに抵触することとなった場合は、2週間以内に必要な措置をとらなければならない。そして、この措置をとらなかった場合、監督処分の対象となる。


4. ○宅建業者は、37条書面(契約書面)を作成したときは、取引士により記名押印をさせなければならないが、それをする取引士は、専任の取引士でなくてもよい。


5. ×登録は、試験を行った都道府県の知事に対して申請するため、Aは、甲県知事に対して登録の申請をしなければならない。


6. ×未成年者であっても、宅建業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有していれば、取引士の登録を受けることができる。


7. ×傷害罪等の一定の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられた者は、「その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日」から5年を経過するまで、登録を受けることができない。つまり、この5年は「登録が消除された日」から起算するのではない。


8. ○ 取引士としての事務禁止の処分を受け、その期間中に自らの申請により登録が消除された場合、その事務禁止の処分の期間が満了しない者は、登録を受けることができない。これは、他の都道府県で宅建試験に合格しても同様である。


9. × 取引士が勤務先の宅建業者を変更した場合は、遅滞なく、変更の登録を申請しなければならない。勤務先の専任の取引士であるか否かは関係ない。


10. ○ 取引士が氏名または住所を変更した場合は、遅滞なく、変更の登録の申請と併せて、取引士証の書換え交付を申請しなければならない。


11. ○ 取引士の登録を受けている者は、本籍を変更した場合には、遅滞なく、変更の登録を申請しなければならない。


12. ×登録の移転は任意であるため、取引士は、必ずその申請をしなければならないわけではない。


13. ×登録の移転は、登録を受けている都道府県知事を経由して、移転先の都道府県の知事に申請する。したがって、甲県知事を経由して、丙県知事に対して申請

するのであって、住所の移転先である乙県知事に対してするのではない。


14. ×取引士の登録を受けている者が死亡した場合、その相続人は、死亡の事実を「知った日」から30日以内に、その旨を、登録をしている都道府県知事に届け出なければならない。