• 民事訴訟法ー1.民事紛争と民事訴訟
  • 1.民事紛争と民事訴訟
  • 民事紛争と民事訴訟
  • Sec.1

1民事紛争と民事訴訟

堀川 寿和2022/01/31 15:51

民事紛争と民事訴訟

(1) 民事訴訟の意義

 民事訴訟とは、私人間の紛争(民事紛争)を国家の司法機関たる裁判所が法律的・強制的に解決するための手続をいう。なお、私人間の紛争たる民事紛争とは、私人間で実体私法上の権利義務や法律関係の存否をめぐって生じた紛争をいう。

 

(2) 民事訴訟制度の目的

 私たちが社会生活を送る中で、私的な利害の衝突から様々な紛争がおこることがある。このような場合に、当事者による自治的な解決が望ましいが、それがままならない場合に自力救済にまかせたのでは、力の強い者がそうでない者を強引にねじ伏せるような結果となることも予想され、社会秩序が維持できない。そこで、そのような力づくによる解決をまかり通らせないためにも、何らかの紛争解決制度が必要となる。そこで規定されたのが民事訴訟の制度である。

 

(3) 保全手続と判決手続と執行手続

 民事訴訟手続(判決手続)は、民法、商法等の実体法を基準に、私人の権利を確定する手続である。その後、判決の内容を強制的に実現するための民事執行手続に進むが、民事訴訟手続の前提として、権利の暫定的な確保を目的とする民事保全手続を経る場合もある。