• 商業登記法ー40.日本における代表者全員が退任する場合
  • 1.日本における代表者全員が退任する場合
  • 日本における代表者全員が退任する場合
  • Sec.1

1日本における代表者全員が退任する場合

堀川 寿和2022/01/31 14:55

事例

外国会社の登記後に、日本における代表者の全員が退任しようとする場合である。(会社法820条1項)

債権者保護手続

 外国会社の登記をした外国会社は、日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の全員が退任しようとするときは、当該外国会社の債権者に対し異議があれば一定の期間内にこれを述べることができる旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は1か月を下ることができない。(会社法820条1項)なお、ダブル公告によって個別催告を省略できるといった規定はないため、知れたる債権者には常に各別の催告を要する。債権者が異議を述べたときは、外国会社は、当該債権者に対し、弁済し、もしくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、退任をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない(同条2項)

 

退任の効力発生

 登記された外国会社の日本における代表者全員の退任(当該外国会社が清算の開始を命ぜられたときを除く)は、この債権者保護手続の終了後、退任の登記をすることにより効力を生じる。(会社法820条3項)すなわち、債権者保護手続の完了が代表者の退任登記の要件であり、登記が効力要件となる。なお、外国会社が日本における営業所の全てを閉鎖した場合において、清算人の登記を申請する必要はない。