- 商業登記法ー32.外国会社
- 1.外国会社
- 外国会社
- Sec.1
1外国会社
■外国会社の意義
外国会社とは、外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。(会社法2条2号)外国の法令によって設立された会社であれば、本店が外国にあるか日本にあるかは問わない。
■外国会社の日本における代表者
(1) 日本における代表者
外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。この場合において、その日本における代表者のうち1人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。(会社法817条1項)なお、日本における代表者の全員が日本に住所を有する必要はないし、日本国籍を有する者である必要はない。
(2) 日本における代表者の権限
外国会社の日本における代表者は、当該外国会社の日本における業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。(会社法817条2項)この権限に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。(同条3項)日本における代表者は、すべての営業所について外国会社を代表する権限を持つため、各営業所ごとに日本における代表者を選任する必要はない。(大M38. 2.15)
また、代表権への制限は第三者に対抗できないため、ある営業所のみ代表権を有する旨の登記もできない。外国会社は、その日本における代表者がその職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。(同条4項)
■日本で取引を継続するための要件
外国会社は、外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。(会社法818条1項)この規定に違反して取引をした者は、相手方に対し、外国会社と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。(同条2項)外国会社の登記をするまでは、日本において取引を継続してすることができない。(会社法818条)なお、外国会社には営業所の設置義務はない。通信販売やインターネット取引が普及した今日において、外国会社に営業所の設置を強制することは適当でないからである。