- 商業登記法ー28.合同会社の資本金の額の変更登記
- 2.資本金の額の減少
- 資本金の額の減少
- Sec.1
1資本金の額の減少
■資本金の額が減少する場合
持分会社の資本金の額は、次の場合に減少する。
① 退社する社員に対して持分の払戻しをする場合(会計規30条2項1号) 合同会社にあっては債権者保護手続をとった場合に限られる。 ② 社員に対して出資の払戻しをする場合(会計規30条2項2号) 合同会社にあっては債権者保護手続をとった場合に限られる。 ③ 合名会社又は合資会社が資産として計上している社員に対して出資の履行をすべきことを請求する権利に係る債権を資産として計上しないことと定めた場合(会計規30条2項3号) ④ 合名会社又は合資会社が資本金の額の全部又は一部を資本剰余金の額とするものと定めた場合(会計規30条2項4号) ⑤ 損失の填補に充てる場合(会計規30条2項5号) 合同会社にあっては債権者保護手続をとった場合に限られる。 |
■登記申請手続
合同会社においては、資本金の額が登記事項となっているため、合同会社が資本金の額を減少した場合は、変更登記が必要となる。(会社法915条1項)
合同会社が資本金の額を減少することができるのは上記(1)の①②⑤の場合であり、債権者保護手続を経ることが必要である。
(1) 添付書面
① 退社する社員に対して持分の払戻しをする場合
合同会社が退社した社員に持分の払戻しをする場合において、債権者保護手続を経た場合は、当該退社する社員の出資につき資本金の額に計上されていた額の分、資本金の額が減少することになる。
その際の添付書面は以下のとおりである。
1. 退社の事実を証する書面
2. 資本金の額の減少につき「業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面」
3. 債権者保護手続関係書面
4. 資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面
5. 代理人によって申請する場合、「委任状」
② 社員に対して出資の払戻しをする場合
合同会社が出資の払戻しのために資本金の額を減少する場合において、債権者保護手続を経た場合には、払戻しをする出資の価額の範囲内で、資本金の額から減ずるべきと定めた額について、資本金の額を減少することができる。その際の添付書面は以下のとおりである。
1. 資本金の額の減少につき「業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面」
2. 債権者保護手続関係書面
3. 資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面
株式会社の場合には、資本金の額の減少の際には添付が不要であったが、合同会社の資本金の額の減少登記の際には原則どおり添付を要する。
4. 総社員の同意があったことを証する書面
5. 代理人によって申請する場合、「委任状」
③ 損失の填補に充てる場合
1. 資本金の額の減少につき「業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面」
2. 債権者保護手続関係書面
3. 資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことを証する書面
4. 代理人によって申請する場合、「委任状」
(2) 登録免許税
申請1件につき金3万円である。(登録免許税別表一、二十四(一)ツ)