• 商業登記法ー6.株式に関する登記
  • 4.株式の消却
  • 株式の消却
  • Sec.1

1株式の消却

堀川 寿和2022/01/27 14:55

株式の消却の意義

 株式の消却とは、会社の存続中に特定の株式(自己株式)を消滅させることである。株式会社は、自己株式を消却することができ、その場合、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。(会社法178条)

 

発行済株式の総数の減少

 自己株式を消却すれば、発行済株式の総数が減少することになるため、その変更登記が必要となる。(会社法911条3項9号)

 種類株式発行会社において、ある種類の自己株式を消却すれば、その種類の発行済株式の数が減少することになるため、その変更登記が必要となる。(会社法915条1項)

 なお、会社が自己株式を消却しても、別途定款の変更手続をとらない限り、発行可能株式総数及び発行可能種類株式総数は減少しない。しかし、定款に自己株式を消却した場合には、消却した株式の数について発行可能株式総数が減少する旨の定めがある場合には、当該規定は有効であると解される。

 

実体手続

(1) 取締役の決定(取締役会議事録)

 会社は、取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)により、自己株式を消却することができる。(会社法178条、348条1項2項)

 

(2) 決議事項

 自己株式を消却する場合には、消却する自己株式の数(種類株式発行会社にあっては、自己株式の種類及び種類ごとの数)を定めなければならない。(会社法178条1項)

 

(3) 効力発生日

 実際に株式失効の手続が完了した時に自己株式の消却の効力が生じる。(1)の決議の時ではない点に注意!

 

(4) 登録免許税

 金3万円(登録免許税別表1、24、(1)ツ)