- 商業登記法ー3.登記の実行
- 5.申請の取下げ
- 申請の取下げ
- Sec.1
1申請の取下げ
■申請の取下げ
(1) 取下げの意義
登記申請の取下げとは、申請人の意思により申請を撤回することをいう。
登記の完了又は申請の却下の決定があるまでは、いつでも取り下げることができる。登記の完了又は申請の却下決定後は、取り下げることができない。
(2) 取下げの種類
申請の取下げには次の2種類がある。
① 補正のための取下げ
申請書類の不備がすみやかに補正できない場合に、補正のためになされる取下げ方法である。
② 申請の撤回のための取下げ
申請をやめる場合になされる取下げである。この取下げを代理人によってするためには、取下げのための委任状が別途必要となる。(登記の委任状に申請の取下げに関する件についても記載されている場合を除く。)
(3) 取下げの手続き
取下げは書面(取下書)によってしなければならない。口頭による取下げは、認められない。ただし、オンライン登記申請については、電子情報処理組織を使用して取下げに係る情報を登記所に提供する方法によって取り下げをすることができる。
(4) 一部取下げ
1通の申請書で複数の登記申請がなされた場合、その一部を取り下げることができる。例えば、商号変更と目的変更の登記を一括申請したが、商号変更の登記の申請のみを取り下げるような場合である。
(5) 取下げの効果
① 申請書類の返還
申請の取下げにより、偽造された書類その他の不正な登記の申請のために用いられた疑いのある書類を除き、申請書及び添付書類は申請人又はその代理人に返還される。
② 登録免許税の還付
登録免許税についても、再使用証明の申出がない限り登記官による所定の手続を経て、税務署から現金で還付されることになる。(登録免許税31条)