• 商業登記法ー1.商業登記制度
  • 9.登記に関する帳簿の公開
  • 登記に関する帳簿の公開
  • Sec.1

1登記に関する帳簿の公開

堀川 寿和2022/01/27 12:30

一般への公開

(1) 趣旨

 商業登記は、商人に関する一定事項を一般に公開することを目的とした制度であるため、登記に関する記録事項についても一般への公開が認められる。

 

(2) 公開の手段

 公開の方法としては、次の3つの手段がある。

登記事項証明書

(1) 登記事項証明書の種類

 登記事項証明書には、次の種類がある。

① 現在事項証明書

 現在有効な登記事項の全部又は一部の証明書である。役員の就任年月日も記録される。会社の商号や本店についてはその直前のものまで記載される。

② 履歴事項証明書

 現在事項証明書の内容に加えて、3年前の1月1日から現在までの変更事項や抹消事項を含めた全部又は一部の証明書である。

③ 閉鎖事項証明書

 清算結了した場合や他の登記所の管轄へ本店移転して閉鎖された登記記録に記録された事項の全部又は一部の証明書である。

④ 代表者事項証明書

 会社の代表者に関する現在有効な登記事項の証明書である。

 

(2) 登記事項証明書の交付

 何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項を証明した書面(登記事項証明書)の交付を請求することができる。(商登法10条1項)この交付の請求は法務省令で定める場合を除き、他の登記所の登記官に対してもすることができる。(同条2項)直接登記所へ出頭せず、郵送による交付を請求する方法や、オンラインによる送付請求することも可能である。その場合は送付に要する費用を納付しなければならない。

登記事項要約書

 登記事項要約書の交付は従来の登記簿の閲覧に該当するものである。

 何人も、手数料を納付して、登記簿に記録されている事項の概要を記載した書面(登記事項要約書)の交付を請求することができる。登記事項証明書のような郵送による交付を請求する方法や、オンラインによる送付請求などは認められていない。