• 不動産登記法ー12.区分建物に関する登記
  • 1.区分建物の基本概念
  • 区分建物の基本概念
  • Sec.1

1区分建物の基本概念

堀川 寿和2022/01/18 13:51

区分建物の意義

 1棟の建物の個々の部分が構造上区分されたものであり、それぞれが独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものである場合には、その各部分を独立の所有権の対象とすることができ、これを区分建物という。マンションが典型である。


建物の敷地

(1) 法定敷地

 法定敷地とは、建物の底地をいう。この建物の底地は法律上当然敷地となる。


(2) 規約敷地

 規約敷地とは、区分所有者が建物及び法定敷地と一体として管理又は使用する庭、通路、その他の土地で規約により建物の敷地とされた土地をいう。建物の底地以外の土地(庭、通路、広場、駐車場など)は区分所有者が利用権をもっていても、法律上当然には敷地とならず、専有部分と一体化しない。規約によって敷地とすることができる。規約敷地は法定敷地と必ず隣接していなくてもよい。


敷地利用権と敷地権

(1) 敷地利用権

 区分建物の専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利を、敷地利用権という。具体的には、土地の所有権、地上権、賃借権、使用借権がこれにあたる。


(2) 敷地権

 上記の敷地利用権で、登記されたものを敷地権という。土地の登記記録に登記された所有権、地上権又は賃借権であって、建物又附属建物と分離して処分することができないものをいう。登記する必要があるため、敷地利用権の中で不動産登記法上、登記ができない使用借権は敷地権とはなり得ない。