- 不動産登記法ー9.信託の登記
- 6.信託登記の抹消の登記
- 信託登記の抹消の登記
- Sec.1
1信託登記の抹消の登記
■信託登記の抹消事由
① 信託財産の処分等により信託財産でなくなった場合
例えば、信託財産たる不動産を受託者が第三者に売却した場合、当該不動産は信託財産でなくなるためである。
② 信託が終了し、残余財産たる不動産が残余財産受益者等に引き継がれたとき
信託が終了して信託財産たる不動産が受益者(受益者兼委託者の場合には、委託者)に移転する場合である。
③ 信託財産が受託者の固有財産となったとき
信託財産たる不動産が受託者の財産となった場合である。原則として認められないが、一定の場合に例外的に認められる。
■一括申請
信託の登記の抹消は、信託財産引継ぎによる所有権の移転登記や売買による所有権の移転登記等と1つの申請情報で申請することを要する。
(1) 申請人
① 信託登記の抹消
受託者の単独申請による。
② 信託財産引継ぎによる所有権の移転登記や売買による所有権の移転登記
所有権を取得した者を登記権利者、所有権の登記名義人たる受託者を登記義務者として共同で申請する。(不登法60条)
(2) 登録免許税
① 信託財産たる不動産を受託者が第三者に売却し、所有権移転登記と信託の抹消登記を申請する場合
・所有権移転登記分 ⇒ 不動産価格×1000分の20
・信託登記の抹消分 ⇒ 不動産1個につき、1000円
② 信託が終了し、残余財産たる不動産が残余財産受益者に引き継がれたとき
・所有権移転登記分 ⇒ 不動産価格×1000分の20
・信託登記の抹消分 ⇒ 不動産1個につき、1000円
③ 信託が終了し、残余財産たる不動産が受益者兼委託者に引き継がれたとき
・所有権移転登記分 ⇒ 非課税(登録免許税7条1項2号)
・信託登記の抹消分 ⇒ 不動産1個につき、1000円
*元の所有者に戻すだけであるため、所有権移転登記分は非課税とされる!
信託財産をYに処分(売買)したことにより信託財産でなくなった場合の登記 申請書
(*1)通常の売買による所有権移転分として、不動産価格×1000分の20と抹消登記分の1000円である。
信託終了により信託財産でなくなった場合の登記 申請書 (受益者に帰属する場合)
(*1)所有権移転分として、不動産価格×1000分の20と抹消登記分の1000円である。
「委託者兼受益者の場合は 登録免許税 金1000円
移転分 登録免許税法第7条第1項第2号
抹消分 金1000円 」