• 権利関係ー6.抵当権(担保物権)
  • 2.抵当権の性質
  • 抵当権の性質
  • Sec.1

1抵当権の性質

堀川 寿和2021/11/17 16:52

付従性

 抵当権によって担保される債権を被担保債権というが、被担保債権が成立しなければ抵当権も成立しない。また、被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅する。



Point 例えば、被担保債権が時効で消滅すると、抵当権も消滅する。この付従性は抵当権が成立する場面ではかなり緩和されている。被担保債権が成立していなくても、それがすでに特定され、いずれ成立することが明らかな場合には、抵当権は有効に成立するとされている。将来、発生する債権のためにも抵当権は成立すると覚えておこう。



随伴性

 被担保債権が債権譲渡・相続等により移転すると、これに伴って抵当権も移転する。つまり新しい債権者が抵当権者となる。


事例 AのBに対する貸金債権を担保するため、B所有地にAの抵当権が設定されていた場合において、債権者Aがこの債権をCに譲渡した。


 この場合、Aの抵当権はCに移転し、CのBに対する債権を担保することになる。CはBの新たな債権者であり、抵当権者となる。



不可分性

 被担保債権の一部が弁済されても、その全額が弁済されるまでは、目的物(不動産)の全部について抵当権の効力が及ぶ。従って、被担保債権の一部の弁済を受けることができないまま、弁済期限が到来したときは、抵当権者は、抵当不動産の全部について、抵当権を実行し、競売に付すことができる。