- 民法親族・相続ー7.相続総則
- 1.相続総則
- 相続総則
- Sec.1
1相続総則
■相続の意義
ある人が死亡したとき、その人が有していた一切の権利義務(一身専属権や祭祀財産を除く。)が、その人と一定の身分関係を有していた人に承継される。これを相続という。この場合、死亡した者を「被相続人」、被相続人の財産を包括的に承継する者を「相続人」、承継される包括的な財産を「相続財産」という。積極財産のみならず、消極財産(借金等)も相続の対象となる。
■相続の開始
(1) 相続の開始原因
相続は、死亡によって開始する(民法882条)。失踪宣告を受けた者は、死亡したものとみなされるので(民法31条)、相続開始原因となる。
旧法の家督相続では「隠居」等の生前相続が認められていたが、現行法上、相続の開始原因は死亡のみである。
(2) 同時死亡の推定
数人の者が死亡した場合において、そのうちの1人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定される(民法32条の2)。
死亡者がこの同時死亡の推定を受ける場合、死亡者相互間に相続は開始しない。
■相続の場所
相続は、被相続人の住所において開始する(民法883条)。