• 民法物権ー4.所有権
  • 3.共有
  • 共有
  • Sec.1

1共有

堀川 寿和2021/12/23 14:48

共有の意義

 共有とは、数人がそれぞれ共同所有の割合として持分を有して1つの物を所有することをいう。

共有関係の成立

 共有関係が成立する場合としては、契約等の意思表示によって成立する場合と、法律の規定によって成立する場合がある。

(1) 意思表示によって共有関係が成立する場合

ex.・数人でお金を出し合って、共同で1つの物を購入

・所有権の一部を譲渡


(2) 法律の規定によって共有関係が成立する場合

ex.・物の所有者が死亡し、数人で共同相続した場合(民法898条)

・境界線上に設けた境界標、囲障、障壁等(民法229条)

・主従の区別ができない動産の付合(民法244条)、混和(民法245条)


持分権

 共有関係における各共有者の所有の割合を「持分」といい、持分に基づいて各共有者が有する権利を「持分権」という。


(1) 持分の割合

 持分の割合は法律の規定または共有者の合意によって定まるが、それが不明なときは、各共有者の持分は、相等しいものと推定される(民法250条)。もっとも不動産の場合、共有持分を第三者に対抗するには登記を要し、登記事項として各共有者の持分まで登記されるため、250条の推定がされることはあまりない。


(2) 持分権の処分

 各共有者は自己の持分権を自由に処分することができる。たとえば、A、B、Cの3人で3分の1ずつ共有する建物について、Aは自由に自己の持分3分の1を譲渡することができるし、また自己の持分3分の1に抵当権を設定することもできる。