• 民法総則ー1.民法の概要
  • 1.民法とは
  • 民法とは
  • Sec.1

1民法とは

堀川 寿和2021/12/22 13:45

民法とは

(1) 私法の一般法としての民法

 民法は「個人と個人の間で紛争が発生した場合に、これをどのように解決するかという基準を与える法律」である。このように、「一般私人どうしの関係を規律 する法律」を私法といい、民法は、この私法に含まれる。

 私法には、民法の他にも商法や会社法などがあるが、商法や会社法は、「一般私人どうしの関係を規律する」といっても、その適用領域は商人や会社関係に限られる。それに対して、民法はその適用領域が限定されておらず、一般私人どうしの関係全般を規律する。つまり、商法や会社法は私法の領域のうち特定の領域のみをカバーするのに対して、民法は私法の領域の全体をカバーしている。このことから、「民法は私法の一般法」と呼ばれる。


(2) 民法の体系

 民法の規定は、おもに物の所有やその取引に関するルールを定める「財産法」と、家族関係に関するルールを定める「家族法」の2つに分類することができる。

財産法は財産権について定めており、財産権はさらに「物権」と「債権」の2つに分かれる。

 また、家族法は、夫婦関係や親子関係などのルールについて定める「親族」法と、相続などのルールについて定める「相続」法の2つに分かれる。