- 適正化法ー7.宅地建物取引業法
- 6.その他の業務上の規制
- その他の業務上の規制
- Sec.1
1その他の業務上の規制
■誇大広告等の禁止
虚偽広告や誇大広告は一般消費者を惑わせるものであり、論外であるのはいうまでもない。宅建業法はこの点についても禁止規定を置いている。
宅建業者は、その業務に関して広告をするときは、その広告に係る宅地建物の次の事項について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものよりも著しく優良であり、もしくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。
① 所在・規模・形質 ② 現在または将来の利用の制限・環境・交通その他の利便 ③ 代金・借賃等の対価の額またはその支払方法 ④ 代金・交換差金に関する金銭の貸借のあっせん |
■取引態様の明示
宅建業者は、広告をする際には、取引態様の別を明らかにしなければならない。
① 宅建業者は、宅地建物の売買・交換・貸借に関する広告をするときは、自己が契約の当事者となってその売買・交換を成立させるか、代理人としてその売買・交換・貸借を成立させるか、または媒介してその売買・交換・貸借を成立させるかの別(取引態様の別)を明示しなければならない。
② 宅建業者は、宅地建物の売買・交換・貸借に関する注文を受けたときは、遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。 |
■広告の開始時期の制限
宅建業者としては、宅地や建物はできるだけ早く売りたい。できれば、未完成のうちからでも売りたいのが本音である。不動産は、半年、1年と売れないこともあるのである。したがって、「できれば設計図ができた段階で売り出したい」と思う業者は少なくない。
しかし、買う方としては逆に、できれば実物を見た上で買いたいと思うものである。そこまででなくとも、せめて設計図どおりの物件が出来上がる保証がないと、取引をしたくはない。そこで、業者が未完成物件についての広告を開始できる時期は、あまり早すぎないように規制がおかれている。
宅建業者は、宅地の造成または建物の建築に関する工事の完了前においては、その工事に関し必要とされる開発許可、建築確認その他法令に基づく許可等の処分があった後でなければ、その工事に係る宅地建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならない。 |
建築確認や許可等の処分があれば、工事者は許可どおりのものしか建てられなくなるので、一般消費者も設計図どおりのものができ上がると信じてよいのである。
Point 「広告の開始時期の制限」は、すべての取引の態様について適用される。後述の「契約締結等の時期の制限」では、「貸借の代理・媒介」については制限の適用がないが、それとは異なることに注意。