- 適正化法ー4.滞納管理費等の回収
- 4.支払督促
- 支払督促
- Sec.1
1支払督促
■支払督促とは
支払督促とは、金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について、債権者の申立てのみに基づき、簡易迅速に債務名義を付与する制度である。
なお、債務名義とは強制執行の開始に必要な公文書であり、代表的なものが確定判決である。支払督促は、訴訟手続によらずに債務名義を得ることができるので、とくに債権債務関係の存在に争いがないような場合に利用される。
■管轄および対象となる請求
支払督促の申立ては、請求の価額にかかわらず、債務者の普通裁判籍の所在地(自然人の場合は住所地)を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に対してする。
支払督促の手続の対象となる請求は、金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求であり、この請求については、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促を発することができる。ただし、日本において公示送達によらないでこれを送達することができる場合に限る。
Point 支払督促の申立ては、訴額が140万円を超えていても、「簡易裁判所」の裁判所書記官に対してする。
■支払督促
(1) 支払督促の発付
支払督促は、債務者を審尋しないで発する。
(2) 支払督促の送達
支払督促は、債務者に送達しなければならない。支払督促の効力は、債務者に送達された時に生ずる。
債務者は、支払督促に対し、これを発した裁判所書記官の所属する簡易裁判所に督促異議の申立てをすることができる。
(3) 仮執行の宣言
債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないときは、債権者は仮執行宣言の申立てをすることができる。裁判所書記官は、債権者の申立てにより、支払督促に手続の費用額を付記して仮執行の宣言をしなければならない。
債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時から30日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う。
(4) 仮執行宣言付支払督促の送達
仮執行の宣言は、支払督促に記載し、これを当事者に送達しなければならない。仮執行の宣言を付した支払督促(仮執行宣言付支払督促)の送達を受けた債権者は、これに基づいて強制執行の申立てをすることができる。
(5) 支払督促の効力
仮執行宣言付支払督促に対し督促異議の申立てがないとき、または督促異議の申立てを却下する決定が確定したときは、支払督促は、確定判決と同一の効力を有する。