- 適正化法ー1.マンション管理適正化法
- 1.マンション管理適正化法の目的と内容
- マンション管理適正化法の目的と内容
- Sec.1
1マンション管理適正化法の目的と内容
マンション管理適正化法は、正式名称を「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」という。わが国では、マンションが重要な居住形態となっているが、良好な都市環境や住環境を維持するためには、管理組合によってマンションの適正な管理が行われることが重要であるため、マンションの管理の適正化を推進するためにこの法律が制定されている。この法律からは例年4問出題される。
■マンション管理適正化法の目的
「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(以下、「マンション管理適正化法」という。)は、「土地利用の高度化の進展その他国民の住生活を取り巻く環境の変化に伴い、多数の区分所有者が居住するマンションの重要性が増大していることに鑑み、基本方針の策定、マンション管理適正化推進計画の作成及びマンションの管理計画の認定並びにマンション管理士の資格及びマンション管理業者の登録制度等について定めることにより、マンションの管理の適正化の推進を図るとともに、マンションにおける良好な居住環境の確保を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的としている。
■マンション管理適正化法の内容
① 「基本方針」の策定および「マンション管理適正化推進計画」の作成
② マンションの「管理計画」の認定制度 ③ 「マンション管理士」の資格制度 ④ 「マンション管理業者」の登録制度 ⑤ 「管理業務主任者」の資格制度 |
■基本方針およびマンション管理適正化推進計画等
(1) 「基本方針」の策定
① 基本方針の策定
国土交通大臣は、マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
② 基本方針に定めるべき事項
基本方針には、次の事項を定めなければならない。
(a) マンションの管理の適正化の推進に関する基本的な事項
(b) マンションの管理の適正化に関する目標の設定に関する事項 (c) 管理組合によるマンションの管理の適正化に関する基本的な指針(以下「マンション管理適正化指針」という。)に関する事項 (d) マンションがその建設後相当の期間が経過した場合その他の場合において当該マンションの建替えその他の措置が必要なときにおけるマンションの建替えその他の措置に向けたマンションの区分所有者等の合意形成の促進に関する事項 (e) マンションの管理の適正化に関する啓発及び知識の普及に関する基本的な事項 (f) 「マンション管理適正化推進計画」の策定に関する基本的な事項その他マンションの管理の適正化の推進に関する重要事項 |
③ 基本方針の公表
国土交通大臣は、基本方針を定め、またはこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(2) 「マンション管理適正化推進計画」の作成
① マンション管理適正化推進計画の作成
都道府県(市の区域内では当該市、マンション管理適正化推進行政事務を処理する町村の区域内では当該町村。以下「都道府県等」という。)は、基本方針に基づき、当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化の推進を図るための計画(以下「マンション管理適正化推進計画」という。)を作成することができる。
② マンション管理適正化推進計画に定めるべき事項
マンション管理適正化推進計画には、次の事項を定めなければならない。
(a) 当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化に関する目標
(b) 当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の状況を把握するために当該都道府県等が講ずる措置に関する事項 (c) 当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化の推進を図るための施策に関する事項 (d) 当該都道府県等の区域内における管理組合によるマンションの管理の適正化に関する指針(以下「都道府県等マンション管理適正化指針」という。)に関する事項 (e) マンションの管理の適正化に関する啓発および知識の普及に関する事項 (f) 計画期間 (g) その他当該都道府県等の区域内におけるマンションの管理の適正化の推進に関し必要な事項 |
③ マンション管理適正化推進計画の公表等
都道府県等は、マンション管理適正化推進計画を作成し、またはこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するとともに、都道府県にあっては関係町村に通知しなければならない。
(3) 国及び地方公共団体の責務
国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化の推進を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。また、国及び地方公共団体は、マンションの管理の適正化に資するため、管理組合またはマンションの区分所有者等の求めに応じ、必要な情報および資料の提供その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
(4) 管理組合等の努力
① 管理組合の努力義務
管理組合は、マンション管理適正化指針(管理組合がマンション管理適正化推進計画が作成されている都道府県等の区域内にある場合は、マンション管理適正化指針及び都道府県等マンション管理適正化指針。)の定めるところに留意して、マンションを適正に管理するよう自ら努めるとともに、国及び地方公共団体が講ずるマンションの管理の適正化の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
② マンションの区分所有者等の努力義務
マンションの区分所有者等は、マンションの管理に関し、管理組合の一員としての役割を適切に果たすよう努めなければならない。
(5) 助言、指導等
① 助言、指導
都道府県都道府県等は、マンション管理適正化指針(管理組合がマンション管理適正化推進計画が作成されている都道府県等の区域内にある場合は、マンション管理適正化指針及び都道府県等マンション管理適正化指針。)に即し、管理組合の管理者等(管理者等が置かれていないときは、当該管理組合を構成するマンションの区分所有者等。)に対し、マンションの管理の適正化を図るために必要な助言及び指導をすることができる。
② 勧告
都道府県知事(市またはマンション管理適正化推進行政事務を処理する町村の区域内では、それぞれの長。以下「都道府県知事等」という。)は、管理組合の運営がマンション管理適正化指針に照らして著しく不適切であることを把握したときは、当該管理組合の管理者等に対し、マンション管理適正化指針に即したマンションの管理を行うよう勧告することができる。