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1知的財産権

堀川 寿和2021/12/08 09:19

 

知的財産・知的財産権とは

 知的財産基本法によると、知的財産とは、発明や考案といった人間の創造的活動により生み出されるもの、商標や商号といった商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報のことをいい、知的財産権とは、特許権、実用新案権や著作権といった法令により定められた権利又は法律上保護される利益にかかる権利のことをいう。

主な知的財産権

 主な知的財産権とその根拠法は、次のとおりである。

名前根拠法根拠法の目的
特許権特許法発明の保護・利用を図ることにより発明を奨励し、産業の発達に貢献すること
実用新案権実用新案法物品の形状、構造又は組み合わせにかかる考案の保護・利用を図ることにより、その考案を奨励し、産業の発達に貢献すること
育成者権種苗法新品種の保護のための品種登録に関する制度、指定種苗の表示に関する規制などについて定めることにより、品種の育成の進行と種苗の流通の適正化を図り、農林水産業の発展に貢献すること
意匠権意匠法意匠の保護・利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、産業の発達に貢献すること
著作権著作権法著作物並びに実演、レコード、放送および有線放送に関し著作者の権利およびこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作権者の権利の保護を図り、文化の発展に貢献すること
商標権商標法商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、産業の発達に貢献し、併せて需要者の利益を保護すること


著作権法

(1) 著作物とは

 著作権法によると、著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。


(2) 著作者の権利

 著作権法によると、著作者とは、著作物を創作する者をいう。そして、著作者は、著作者人格権・著作権を享有(=元来与えられたものとして持つこと)し、これらの権利の享有には、いかなる方式の履行も要さないとされている。

① 著作人格権

 公表権、氏名表示権、同一性保持権がある。

② 著作権

 複製権、上演・演奏権、上映権、公衆送信権等、口述権、展示権、頒布権、譲渡権、貸与権、翻訳・翻案権等、二次的著作物の利用に関する原著作者の権利が含まれる。


(3) 著作隣接権

 著作物を創作しているわけではないが、著作物を公衆に伝達するのに重要な役割を果たしている、実演家(歌手等)、レコード製作者、放送事業者(テレビ放送を業として行う者がこれにあたる)、有線放送事業者(ケーブルテレビ放送を業として行う者がこれにあたる)に認められている一定の権利のことをいう。


(4) 著作権の保護期間に関する原則

 著作権法によると、著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まり、著作権法の保護期間に関する規定の中に別段の定めがある場合を除いて、著作者の死後70年を経過するまでの間、存続するとされている。