• 憲法―9.参政権
  • 4.選挙の基本原則
  • 選挙の基本原則
  • Sec.1

1選挙の基本原則

堀川 寿和2021/12/01 10:22

普通選挙(15条3項)

(1) 普通選挙の意義

 普通選挙には次のような広狭2つの意味があり、制限選挙と対置される。

※ 制限選挙とは、一定額以上の財産を有することや特定の人種に属することなどを選挙権取得の要件とする選挙をいう。

 普通選挙の2つの意味

 狭義: 財力(納税額、財産など)を選挙権の要件としない選挙

 広義: 財力の他に、職業・身分・教育・宗教・性別などを選挙権の要件としない選挙


(2) 「成年者による普通選挙」(15条3項)

  何歳をもって成年とするかは法律によって定める(公選法9条)。


平等選挙

(1) 平等選挙の意義

 平等選挙とは、選挙人の選挙権に平等の価値を認めるものをいい、不平等選挙(複数選挙、等級選挙等)と対置される。

 ※ 複数選挙とは、特定の選挙人に2票以上の投票を認める選挙をいう。

 ※ 等級選挙とは、選挙人を特定の等級に分けて等級ごとに代表者を選出する選挙をいう。


(2) 投票価値の平等 →Chapter3 包括的基本権と法の下の平等「法の下の平等」参照

 平等選挙は、もともとは選挙権の数的平等(一人一票の原則)を意味したが、現在では、投票の価値的平等をも含むと解されている。


自由選挙

 自由選挙とは、棄権しても罰金、公民権停止、氏名の公表などの制裁を受けない選挙をいい、強制投票制度は禁止される。

 ※ 強制投票制度とは、正当な理由なしに棄権した選挙人に制裁を加える制度をいう。