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1その他の法令上の制限

堀川 寿和2021/11/26 09:20

 本章からの出題は毎年1問あるかないかである。「どのような場合に、誰の(誰に対して)、許可(届出)が必要か」を覚えれば十分得点できるので、念のためしっかりと覚えておこう。

覚え方のコツは、大半は「都道府県知事(等)の許可」なので、それ以外のところを覚えればよい。


まとめ表

【まとめ表】


許可制度(許可権者)届出制度(届出先)
急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律知事
地すべり等防止法知事
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律知事
土壌汚染対策法知事
密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律知事等
生産緑地法市町村長
河川法河川管理者
海岸法海岸管理者
港湾法港湾管理者
道路法道路管理者
文化財保護法文化庁長官
都市再開発法知事
流通業務市街地の整備に関する法律知事
大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法知事等
公有地の拡大の推進に関する法律知事等(※)
集落地域整備法市町村長

※ 当該土地が町村の区域内に所在する場合には、当該町村の長を経由して都道府県知事に届出、市の区域内に所在する場合には、当該市の長に届出


【同じ法律で許可制度と届出制度が併存する場合】


許可制度(許可権者)届出制度(届出先)
森林法知事(開発行為)市町村長
自然公園法特別地域
特別保護地区
国定公園…知事
国立公園…環境大臣
普通地域国定公園…知事
国立公園…環境大臣
土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律知事(開発行為)知事(特定開発行為の廃止)
都市緑地法知事(特別緑地保全地区)知事(緑地保全地域)


チェック問 その他の法令上の制限

【チェック問 その他の法令上の制限】

1. 道路法によれば、道路に水管、下水道管、ガス管を設置し、継続して道路を使用する者は、原則として道路管理者の許可を受けなければならない。


2. 河川法によれば、河川保全区域内において工作物の新築又は改築をしようとする者は、原則として河川管理者の許可を受けなければならない。


3. 生産緑地法によれば、生産緑地地区内において建築物の新築、改築又は増築を行おうとする者は、原則として市町村長の許可を受けなければならない。


4. 文化財保護法によれば、史跡名勝天然記念物の保存に重大な影響を及ぼす行為をしようとする者は、原則として市町村長の許可を受けなければならない。


5. 土壌汚染対策法によれば、形質変更時要届出区域が指定された際、当該形質変更時要届出区域内で既に土地の形質の変更に着手している者は、その指定の日から起算して14日以内に、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。


6. 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律によれば、傾斜度が30度以上である土地を急傾斜地といい、急傾斜地崩壊危険区域内において土石の集積を行おうとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。


7. 自然公園法によれば、国定公園の特別地域内において工作物の新築を行おうとする者は、原則として都道府県知事の許可を受けなければならない。


8. 都市緑地法によれば、特別緑地保全地区内において、土地の形質の変更を行おうとする者は、公園管理者の許可を受けなければならない。


9. 地すべり等防止法によれば、地すべり防止区域内において、地下水を誘致し、又は停滞させる行為で地下水を増加させるものを行おうとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない。


10. 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律によれば、土砂災害特別警戒区域内において都市計画法上の一定の開発行為をしようとする者は、原則として市町村長の許可を受けなければならない。


チェック問 その他の法令上の制限 正解

【チェック問 その他の法令上の制限 正解】

1-○2-○3-○4-×5-○
6-○7-○8-×9-×10-×


【チェック問 その他の法令上の制限 解説】

1. ○ 道路法上、継続して道路を使用する者は道路管理者の許可が必要である。


2. ○河川保全区域内における建築行為等に関する許可権者は、河川管理者である。


3. ○生産緑地地区内における建築行為等に関する許可権者は、市町村長である。


4. ×史跡名勝天然記念物の現状変更行為等に関する許可権者は、文化庁長官である。


5. ○形質変更時要届出区域の指定の際、その指定が行われた区域内で、既に土地の形質の変更に着手している者は、指定された日から起算して14日以内に、都道府県知事にその旨の届出を行わなければならない。


6. ○ 急傾斜地崩壊危険区域内において、土石を採集しようとする者は、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律上、知事の許可が必要である。


7. ○ 国定公園の場合、知事の許可が必要である。


8. × 特別緑地保全区域内において、土地の形質の変更を行おうとする者は、知事の許可を受ける必要がある。


9. × 河川管理者の許可ではなく、知事の許可が必要である。


10. × 市町村長の許可ではなく、知事の許可が必要である。