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1建設機械

堀川 寿和2022/03/30 11:33

建設機械

 「建設機械」からは、例年1問出題されている。

 ★「土木一般―土工」の問題〔選択問題〕として出題されることもある。

建設機械

(1) ブルドーザ、スクレーパ、スクレープドーザ

① ブルドーザ

 ブルドーザは、トラクタに土砂を押す土工板(排土板、ブレードともいう)を取付けた建設機械である。掘削短距離の運搬押土)、敷均し整地締固めなどの作業に用いられているほか、除雪にも用いられる。また、土工板の代わりにレーキをつけることにより、伐開除根作業に使用することもできる。

 

Point ブルドーザは土砂の積込みには使用できない。また、長距離の運搬には適さない

 

② スクレーパ

 スクレーパは、大規模な土工作業で用いられ、土砂の掘削積込み長距離運搬敷均し〔まき出し作業〕を一連の作業として行うことができる広い作業性能を持つ建設機械である。自走式のモータスクレーパと、被けん引式のスクレーパがある。

 

Point スクレーパは、締固めには使用できない

 

③ スクレープドーザ

 スクレープドーザは、ブルドーザとスクレーパの両方の機能を備え、掘削、運搬、敷均しを行う機械で、狭い場所軟弱地盤での施工に使用される。

 

Point スクレープドーザは、土砂の掘削と運搬の機能を兼ね備えている。

 

(2) ショベル系掘削機

① バックホウ(ドラグショベル)

 バックホウは、バケットを車体側に引き寄せ掘削する。かたい地盤の掘削ができ機械が設置された地盤より低い場所の掘削に適する。水中掘削もでき、掘削したあとの仕上り面がきれいで垂直掘りなど正確に掘れるので、基礎の掘削溝掘りなどにも使われる。また、掘削積込みの他、伐開除根に使用することもできる。

 

② ローディングショベル

 ローディングショベルは、大型のバケットを車体から前方に動かして掘削する。機械の位置よりも高い場所の掘削に適する

 

③ クラムシェル

 クラムシェルは、ロープに吊り下げられたバケットを重力により落下させて、土をつかみ取る機械である。シールド工事の立坑掘削など、狭い場所での深い掘削に適する。一般土砂の孔掘り、ビルの根切り、地下鉄工事の集積土さらいなど広い用途で使用される。

 

④ ドラグライン

 ドラグラインは、ワイヤロープよってつり下げたバケットを旋回による遠心力を利用して遠くに放り投げ、地面に沿って手前に引き寄せて掘削する機械で、機械の位置より低い場所の掘削に適している。掘削半径が大きく、ブームのリーチより遠い所まで掘れ、水中掘削など広い場所での浅い掘削に使用され水路の掘削、しゅんせつ、砂利の採取、河川や軟弱地の改修工事などに用いられる。ただし、バックホウに比べ掘削力には劣り、硬い地盤の掘削には適さない。

 

(3) 積込機械

① トラクタショベル

 トラクタショベルは、ホイール式又はクローラ式(履帯式)のトラクタに爪付きのバケットを取付けたもので、ローダともいう。土砂の掘削および積込み作業に使用される。

 

Point トラクターショベルは、土砂のわずかな移動はできるが、長距離の運搬には適さない

 

(4) 運搬機械

① ダンプトラック

 ダンプトラックは、建設工事用の資材や中距離以上の土砂の運搬に最も多く使用されている。

 

② 不整地運搬車

 不整地運搬車は、車輪式(ホイール式)履帯式(クローラ式)があり、トラックなどが入れない軟弱地や整地されていない場所に使用される。

 

(5) クレーン

① ホイールクレーン

 ホイールクレーンは、1台のエンジンで走行装置とクレーン装置を駆動し、タイヤで自走する。ホイールクレーンの大多数をラフテレーンクレーンが占めている。

 ラフテレーンクレーンは、走行とクレーン操作を同じ運転席で行い狭い場所での機動性にも優れている

 

② フローティングクレーン

 フローティングクレーンは、台船上にクレーン装置を搭載した型式で、海上での橋梁架設等に用いられる。

 

(6) 敷均し機械

① モータグレーダ

 モータグレーダは、路面・地表などの平坦仕上げを主目的にした、軽切削や材料の混合・敷均し整形などを行うタイヤ式の建設機械である。路面の精密な仕上げに適しており、砂利道の補修、土の敷均しなどに用いられる。

 

Point モータグレーダは、土砂の掘削運搬には使用できない

 

(7) 締固め機械

① ロードローラ

 ロードローラは、表面が滑らかな鉄輪によって締固めを行う締固め機械で、舗装及び路盤用として多く用いられ、土工では路床面等の仕上げに用いることがある。マカダムローラとタンデムローラがある。

 タンデムローラは、ロールが前後に並んで配置されたローラで、2軸式のものが一般的である。転圧面の平たん性が優れているため、主としてアスファルト混合物の仕上げ転圧用として使用されている。

 

② タイヤローラ

 タイヤローラは、タイヤの空気圧を変えたりバラストを付加したりして接地圧の調節や自重を加減することができ、路床や路盤などの締固めに使用される。

 

③ タンピングローラ

 タンピングローラは、ローラの表面に多数の突起をつけた締固め機械で、厚い盛土の締固めに使用される。また、突起の先端に荷重を集中させることができるため、土塊や岩塊などの破砕や締固め、粘性土の締固めに効果がある。

 

Point タンピングローラは、アスファルト混合物の締固めには使用されない

 

④ 振動ローラ

 振動ローラは、鉄輪を振動させながら回転して砂や砂利などの転圧〔締固め〕を行う機械で、搭乗型〔自走式〕、被けん引型、ハンドガイド型があるが、搭乗型が最も多く使用されている

 

Point 最も多く使用されているものは、ハンドガイド型ではない。

 

⑤ ランマ、タンパ

 ランマは、小型の締固め機械で、振動や打撃を与えて、路肩や狭い場所などの締固めに使用される。同様の小型の締固め機械として、タンパがある。