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- 11.港則法
- 港則法
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■港則法の概要
(1) 港則法の目的
港則法(以下この節において「法」という。)は、港内における船舶交通の安全と港内の整とんを図ることを目的として、定められた法律である(法1条)。
(2) 港則法の適用対象となる港
① 港則法の適用対象となる港
港則法が適用される港及びその区域は、政令〔港則法施行令〕によって定められており(法2条)、全国に500港ある。
② 特定港
港則法において「特定港」とは、港則法の適用対象となる港のうち、喫水の深い船舶が出入できる港又は外国船舶が常時出入する港であって、政令〔港則法施行令〕で定めるものをいう(法3条2項)。これは全国に87港ある。
特定港には、港則法に基づく事務を執行するために、港長が置かれている。
■特定港における港長への届出、港長の許可
(1) 港長への届出
① 入出港の届出
船舶は、特定港に入港したとき又は特定港を出港しようとするときは、国土交通省令〔港則法施行規則〕の定めるところにより、港長に届け出なければならない(法4条)。
② 修繕及び係船の届出
特定港内においては、汽艇等以外の船舶を修繕し、又は係船しようとする者は、その旨を港長に届け出なければならない(法8条1項)。
【参考】汽艇等
港則法において「汽艇等」とは、汽艇(総トン数20トン未満の汽船をいう。)、はしけ及び端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する船舶をいう。
(2) 港長の許可
① 危険物荷役の許可
船舶は、特定港において危険物の積込、積替又は荷卸をするには、港長の許可を受けなければならない(法23条1項)。
② 危険物運搬の許可
船舶は、特定港内又は特定港の境界附近において危険物を運搬しようとするときは、港長の許可を受けなければならない(法23条4項)。
③ 私設信号の許可
特定港内において使用すべき私設信号を定めようとする者は、港長の許可を受けなければならない(法29条)。
④ 工事・作業の許可
特定港内又は特定港の境界附近で工事又は作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない(法31条1項)。
Point この場合に必要となるのは、港長の許可である。港湾管理者の許可ではない。
【まとめ】港長の許可、港長への届出等を必要とする場合(主なもの)
港長への届出 |
特定港に入港した場合又は特定港を出港しようとする場合(法4条) |
特定港内において汽艇等以外の船舶を修繕し、又は係船しようとする場合(法8条) |
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港長の許可 |
船舶が、特定港において危険物の積込、積替又は荷卸をする場合(法23条1項) |
船舶が、特定港内又は特定港の境界附近において危険物を運搬しようとする場合(法23条4項) |
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特定港内において使用すべき私設信号を定めようとする場合(法29条) |
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特定港内又は特定港の境界附近で工事又は作業をしようとする場合(法31条) |