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1騒音規制法

堀川 寿和2022/03/30 11:09

騒音規制法

 「騒音規制法」からは、例年1問出題されている。最近は「規制の対象」(特に「特定建設作業」)、「特定建設作業の実施の届出」(特に「届出事項」)に関する問題の出題が多い。

 ★「施工管理法―環境保全対策」の問題〔必須問題〕として出題されることもある。

騒音規制法の概要

 騒音規制法(以下この節において「法」という。)は、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的として、建設作業から発生する著しい騒音を規制している(法1条)。

規制の対象

 規制の対象となるのは、「指定地域」内における「特定建設作業」である。

 

(1) 指定地域

 都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。)、住居が集合している地域、病院又は学校の周辺の地域その他の騒音を防止することにより住民の生活環境を保全する必要があると認める地域を指定しなければならない(法31項)。この地域を「指定地域」といい(法42項)、騒音に関する規制はこの指定地域内で行われる。

 

(2) 特定建設作業

 規制の対象となるのは、騒音を発生させるすべての建設作業ではなく、「特定建設作業」である。

 特定建設作業」とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音を発生する作業であって政令〔騒音規制法施行令(以下この節において「令」という。)〕で定めるものをいう(法23項)。

 特定建設作業に該当する作業は、次のとおり(令2条、令別表第二)。ただし、当該作業がその作業を開始した日に終わるもの規制対象から除外される(令2条ただし書)。

1

くい打機(もんけんを除く。)、くい抜機又はくい打くい抜機(圧入式くい打くい抜機を除く。)を使用する作業(くい打機をアースオーガーと併用する作業を除く。)

2

びょう打機を使用する作業

3

さく岩機を使用する作業(作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が50mを超えない作業に限る。)

4

空気圧縮機(電動機以外の原動機を用いるものであって、その原動機の定格出力が15㎾以上のものに限る。)を使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業を除く。)

5

コンクリートプラント(混練機の混練容量が0.45㎥以上のものに限る。)又はアスファルトプラント(混練機の混練重量が200㎏以上のものに限る。)を設けて行う作業(モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く。)

6

バックホウ(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が80㎾以上のものに限る。)を使用する作業

7

トラクターショベル(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が70㎾以上のものに限る。)を使用する作業

8

ブルドーザー(一定の限度を超える大きさの騒音を発生しないものとして環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が40㎾以上のものに限る。)を使用する作業

 

Point1 くい打機として一般的に使用されるのは、「ディーゼルハンマ」などである。

Point2 騒音を発する建設作業であっても、上記18に該当しないものは、特定建設作業ではない。したがって、「クラムシェル」「振動ローラ」「舗装版破砕機」を使用する作業は、特定建設作業に含まれない。なお、「舗装版破砕機」を使用する作業は、振動規制法の規制対象にはなる。